Prisonerworld【小説】 (ページ2)

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生還【攻】【甘城アリス】ページ2

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「よし、ここが出口ね……」

何とか無事に出口まで辿り着けた。

ここまで数人のガーディア隊員の姿を見かけたが、その中の誰にも気づかれずに来られたのはかなりの奇跡だと思う。

絶対に見つかってはいけないという緊張感で精神的にかなり疲労したが、ゴールを見つけた安心感で思わず笑みが零れる。

だが、決して気を抜いてはいない。

先ほど流れた放送によると、どうやらガーディア隊員全員がこれからこのシェルターの周りを囲って臨戦態勢に入るらしい。
もしそうなら一刻も早くここから出る必要があるだろう。大人数に囲まれたら、流石に私の能力で彼女を操ったとしても対処しきれない。

周りを確認してから出口を通り、久方ぶりの地上の空気に触れる。

すぐに周囲を見渡して、そして人の姿を確認した。

少し離れた場所に茶髪の少年がいる。遠くで銃を構えている姿を見るに、恐らく彼も斥候部隊(同業者)なのだろう。

まだ気づかれていない？好都合だ。

(それなら、このまま____)

私は少し前を歩いていた副隊長を引き留め、そして小声でこう命じた。

「____全力で走って」

そして、言い終わる前に私も走り出す。

これでいい。こうして彼女と併走すれば、例え気づかれても相手は迂闊に攻撃できないだろうから。

それにしても、彼女____ガーディアの副隊長さんの体はどうなっているのだろうか。

既にまともに動けるような状態ではない筈だ。にも関わらず、全力で走っている私に付いて来られている。

(本当に司令部隊なの……!?)

やはり、絶対に正面からは戦いたくない相手だ。

走っていると、すぐにレボディショナルのシェルターが見えてきた。

流石に、銃を構えていた少年も既にこちらに気づいている頃だろう。だが、もう遅い。

やっと戻って来られた……！

そして、私は先ほどまでより強く地面を蹴り、残りの距離を走りきった。