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君の好きなとこ ページ1

- 桜井琉夏


*


カッコいい、可愛いと異性から褒められるのは苦手だ。
自分が賞賛されているとは思えないから。まるで、自分とは別の誰かが褒められているように聞こえる。

だから曖昧に笑うばかりで、返答も用意していなかった。


「……琉夏くんの顔って、お人形さんみたいだね」


Aにそう言われ、俺は少しの間硬直した。
ありがとう、と一呼吸分置いて返すけど、胸に広がった不穏なモヤは晴れない。


「俺の顔、好き?」


俺の毛先で遊んでいたAの掌を握り、首を傾げる。
目をぱちぱちさせた後、彼女はこくりと頷いた。


「琉夏くんの顔も、好き」
「……え?」

「琉夏くんの、ちょっと過保護だけど優しいとこも、ほんとはお兄ちゃん想いなところも好き」


バクバクと心臓が鳴り出す。あれ、あれ、えーっと……俺、褒められてる?


「努力家だし、何事にも一途。好きなことには一生懸命」


Aは、俺が繋いだ掌にきゅっと力を込めて、それから頬を撫でた。
温度と柔らかさに涙が出そうになるのはなんでだろう。



「俺も、……Aのこと、ちょー好き」

「うん、ありがと」



花が咲くみたいに、ふわっと笑う彼女を、頭で考える前に抱きしめてた。
俺の胸に、今は納めておきたいと思ったんだ。 いなくなっちゃわないように。



「琉夏くん、苦しいよ」
「ごめん、ごめん………なんか、泣けてきた」



好きだと言ってくれる恋人の存在に、涙が出る。
Aを見ていたいと思うのに、目の前が勝手に霞んでく。




ああ、俺、ちょっとわかったかもしれない。
見た目だけで判断されるのが、苦しかったんだ。本当の俺は弱くて、脆くて、危なっかしくて。

中身まで好きだと言ってくれることに、胸が締め付けられる。
俺なんかで、良いんだ。




「……ちゅーしてもいい?」

「だ、ダメだよ」

「イヤだ、もうなんか我慢できなくなっちゃった」




大好き。



*

琉夏の柔らかいところを思いがけずツンと突いちゃった夢主。

いつかのロマンスは予定済み→



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はちか(プロフ) - 七緒さん» はじめまして!コメント有難うございます(;_;)!!あたたかいお言葉、身に染みます! (2015年8月21日 2時) (レス) id: f9886030ad (このIDを非表示/違反報告)
七緒(プロフ) - すんごい面白いです!!これからも頑張ってください!!応援してます! (2015年8月19日 21時) (レス) id: f23e142abd (このIDを非表示/違反報告)
さけられるチーズ(プロフ) - じゃあ、ボード作って待ってます!ありがとうございますっ! (2015年7月31日 22時) (レス) id: 26b822a438 (このIDを非表示/違反報告)
はちか(プロフ) - さけられるチーズさん» 返信遅くなってごめんなさい!ぜひぜひお話しましょう〜!! (2015年7月31日 22時) (レス) id: f9886030ad (このIDを非表示/違反報告)
さけられるチーズ(プロフ) - はちかさん» 周りにときメモ好きな人いなくて辛かったんです…( ;´Д`) 断っていただいても良いので、もしよろしければ私のボードでお話ししませんか? (2015年7月29日 7時) (レス) id: 26b822a438 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はちか | 作成日時:2014年11月19日 1時

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