大事なもの ページ9
ru「めめ、すっごくソワソワしてたね
ふてくされてたラウールを連れてきた個室の飯屋
ru「しょっぴーは誰か思い当たる人いないの？」
好きな人とかかなぁ…ぁ、彼女とか？ なんて
康二の真似をして呼ぶしょっぴーがまだくすぐったい
思い当たる人、居るに決まってるだろ。
でも…
nb「ラウールは？」
ru「へ…？」
nb「いないの？ なんかそういう人」
生憎ここでペラる訳にはいかないんだよな
話を交わすフリをして恋バナを振ると
分かりやすく目を泳がせて「わかんないよ、まだ」なんて顔を赤く染めた
ru「好きとか、…その、恋とか愛とか…俺まだ分かんないもん」
nb「ウブだな〜…」
ru「もぅ…いいの！ 大事にとっといてるの！」
大事に、か
ラウールが返してきたその言葉が気にかかって
メニュー表をいじっていた手がピタと止まった
涼太も目黒も
大事にしたいと言っていた、誰よりも大事だと
曖昧で不確かな関係が壊れてしまわないように
その気持ちを大事に抱えている
今の二人にぴったりな言葉かもしれないと
柄にもなくクサイことを考えている自分が少し面白くて頬が緩んだのを
俺も、目の前のラウールも気がついた
ru「しょっぴー？ なに笑ってるの…？」
メニュー表を一度閉じて
ラウールを見つめる
まだポカンとしてる坊やに俺は話を続けた
nb「大事にしたいなって、
相手のこと無理に手に入れようとするとか
強引に言い寄ってくる人とか
…まぁ、若いときはそういうのも経験としてはアリだと思うけど
この人のことを
他の誰でもない自分が
大事に守りたいって思えるような
そーゆう恋愛ができるといいな。」
ru「…」
nb「ま〜まだまだおこちゃまなラウールにはまだピンと来ないかもな(笑)」
ru「ぁ、その一言がなきゃカッコ良かったのにぃ…！」
さっきまで真剣に聞いてたのに
がっかりしたようにぷんすかしてから
もういい速く注文しよ！
って再びメニューとにらめっこ
そんなラウールを眺めながら
クサイ思考のスイッチが入ってしまった俺は
また無意識に口が動いて
nb「マジの恋とか恋愛ってさ、頭とかじゃないんだよ
心っつーか体っつーか、本能で動いちゃうもんなんだよ。本能が相手のことを欲しがんの。
だから、ラウールもそういう人見つけたら
考えすぎないで自分に正直にいけよ？」
ラウールは少し驚いた表情を見せたが、
すぐに「うん！」と愛らしい口角をきゅっと上げた
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YOKO1220(プロフ) - 更新待ってました！！続きがとても気になります。 (2022年8月24日 20時) (
レス) @page12 id: 3f34e75752 (このIDを非表示/違反報告)
YOKO1220(プロフ) - 大好きなお話です。更新まってます！！ (2022年3月21日 1時) (レス) @page8 id: 3f34e75752 (このIDを非表示/違反報告)
ニナ(プロフ) - 更新待ってました！嬉しいです！！！ (2021年12月20日 17時) (レス) @page6 id: b294cacc31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無 | 作成日時：2021年10月13日 0時
