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利吉side
初「それが何だというの？」
何だというの、とは。
すると初は、ほうっとため息を吐いて
私から目線を外して頬杖をついた。
この初の姿は、人によればとても可愛く
あるいは妖艶にも見えるのかもしれない。
だけど、私にとってはどうでも良いし、
それどころではない。
利吉「何だって……そういうことだよ」
だからこんなところで、
君とお茶なんかをしている場合ではないのだ。
初「そう……Aさんが好きなの……」
利吉「そうだよ。だから、」
もう運命だの何だの、Aに協力云々は……
初「いいわ。
それならAさんを、二番目の恋人にしても」
利吉「……は？」
初は満面の笑みを浮かべる。
それは至って真剣で、冗談なんかではなさそうだ。
初「私と利吉さんは結ばれる運命よ。
それでAさんも置いておきたいというなら、
仕方ないわね」
開いた口が塞がらないとは、
まさにこの現状を表していると思う。
それと同時に、胸の中には黒いものが
流れ込んでくる感覚。
利吉「……店を出よう」
落ち着け。
とにかくまずは、この吐き気のするような
場違いの店から出ることにした。
少し先の路地で、初と向き合う。
本当はこんなに冷静でいられないのだけれど、
どうにか抑えて切り出した。
利吉「……初さん。
私はAさんが……Aが好きなんだ」
初「そんなの、わかっているわ……！」
すると初が、私の上衣を強く引っ張った。
そしてぐっと頭を近付けてきたので、
自分の顔と初の顔の間に手を差し込んだ。
手のひらに、初の唇の感覚。
あぁ、それだけで嫌悪を感じてしまう。
そのときだった。
じゃり、と土を踏む音。
ぱっと初から目線を外し、音の方へ顔を向けると
『あ、あ……』
大通りから、大きく目を見開いたAが立っていた。
利吉「A……！」
"見てしまった"というような表情。
ここから立ち去りたい……そう思っているような、
じゃり、と後退りをする土の音。
『わ、私、ふたりを見つけたと思ったから……
ごめんなさい……っ』
駆け出していくA。
利吉「Aっ、待って……！」
その声は、届くこともなく。
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llmz(プロフ) - 初めましてこんばんは。目をギンギンにしながら楽しく読ませて貰いました。そしてもっと読みたいです！お忙しいと思いますがこれからも続いていくことを応援しています。いつか母上に紹介するお話も読んでみたいです笑更新楽しみにお待ちしています！ (2023年3月25日 1時) (
レス) @page41 id: ea241ee2a1 (このIDを非表示/違反報告)
ぴすこ(プロフ) - はなさん» お返事ありがとうございます！！読めましたー！！はなさんの書く小説はどれも好きでほとんど読んじゃいました！これからも応援してます。頑張ってください！！ (2022年10月22日 7時) (レス) id: 8dcb23a883 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - ぴすこさん» 読んで頂きありがとうございます！早速ですが、こちらの設定はどうされているでしょうか？ご確認お願い致します！→→「マイページ」の「設定」から、下の方にいくと「コンテンツの設定」→ 「R18コンテンツフィルタ」があります。お手数ですが宜しくお願いします。 (2022年10月19日 21時) (レス) id: 1cb0e453a9 (このIDを非表示/違反報告)
ぴすこ(プロフ) - はじめまして！コメント失礼します。よるのおあそびを読みたいのですが、検索しても作者の作品全表示を押しても出てきません。どうすれば読めますか？ (2022年10月19日 21時) (レス) id: 8dcb23a883 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - Moonさん» お返事遅くなりました！なんて嬉しいお言葉…！更新遅すぎてすみません😱どれだけ続けているのかというお話ですが、私にも終わりが見えません(笑)とにかく更新頑張ります！コメントありがとうございます！！ (2022年10月10日 23時) (レス) id: 1cb0e453a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はな
| 作成日時：2022年1月19日 0時
