痛み _05 ページ24
_
Draco side
食事を終えて、大広間を出たらずっと探していたAを見つけた。僕に気がついたAもびっくりした様子だったが、すぐに駆け寄ってきてくれた。
「A！医務室にいなかったから心配したんだぞ」
『ちょっと、スネイプ先生と話してて…』
「体は？大丈夫なのか？」
『うん、安静にしていてくださいだってさ』
「そうか…本当に、無茶だけはしないでくれ…」
『ふふ、スネイプ先生と同じこと言うのね』
Aは少し寂しげに笑ったかと思ったら、その大きな瞳から一気に溢れ出てきた、涙。
「A？！」
『うっ、ーっ』
突然の出来事に戸惑いを隠せずに居たが、どこか痛むのかと聞いても泣いていて返事は無い。
医務室へ連れていこうか悩んだが、ここだと人が多すぎる。ひとまず談話室へ連れていくことにした。
談話室へ着いてしばらくすると、だいぶ落ち着いた様子だった。
痛みはもうないようで、不安になってしまった…とAは話した。いつもニコニコして楽しそうにしている彼女だったが、今は違う。とても…小さく見えた。
そんな彼女を見て、どうしようもない気持ちになった。
気がついたら隣に座るAの手を握っていた。
「…僕が力になる、だから…一人で抱え込まないでほしい…」
『あのね、ドラコ…』
Aは静かに話し始めた、両親についてや今の気持ちについて。僕が思っている以上に辛い思いをたくさんしてきたに違いない、本人は幸せだとも言っていたが。
やっぱり…僕は彼女の力になりたい。
Aを守りたい。
A…いつかくる真実がわかる時、何があっても君を支えるから…だから、これからも近くに居させて欲しい。
_
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 276人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リン | 作成日時：2022年11月7日 2時
