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呆れて閉口する仗助をよそに、億泰は私の手を両手で握った。
(仗助ほどじゃあないけど)長身だから、前屈みのように覆いかぶさってきて、あまりの迫力に息を飲む。
「Aもそうだよなぁ？おめーも現金支給で、夜も朝も親父さん忙しくて家にいねーんだろぉ？」
「そ、そうだけど…」
「たまにはよぉ〜こう言うとこでうまい飯食いてーよなぁ〜」
YESともNOとも言ってないのに、億泰はそのまま仗助を振り返る。
顔を引きつらせていた仗助は、まるでエンガチョでもするように私たちの手を断ち切ると、大きめのため息をついた。
「Aも行きてーの？」
「ええと…」
行ってもカフェ・ドゥ・マゴくらいで、基本はコンビニだから、魅力的なのは本当だ。
それに、仗助とイタリア料理店だなんて…
(億泰は視界の端に追いやって)向かい合って丸テーブルに座る様子を想像する。
白いテーブルクロスに、整然と並ぶ銀のカトラリー。
お酒は飲めないけど、大きなワイングラスがあって、窓から差し込む光で注がれた飲み物がキラキラ光る。
それを彼の青い目が反射して…
そこまで妄想して、顔が熱くなっていくのがわかった。
「…まあ、行ってみたい、よね」
たとえオマケがいるとしても、こんなチャンス滅多にないもの。
私の返答を聞いた仗助はちょっと沈黙して、「分かったよ」と看板の指す方へ歩き出した。
「付き合うよ！金持ってんのか？」
「俺んち食ってくだけの金はあんのよ。行こ行こしゅっぱあ〜つ！」
ぱっと顔を明るくさせた億泰に背中を押されて歩き始める。
最近ゲーセンに入り浸ってたから、貯金を少し切り崩すことにはなるけど。
子供みたいにはしゃぐ億泰に、ちょっと呆れた様子で追いかける仗助がかっこいいから、そんなことどうでもいいと思えてしまった。
看板通りに100mほど進むと、住宅街の外れ、本当に霊園のそばに一軒のお洒落な建物が見えた。
入り口には『TRATTORIA』の文字と、本日の料理の書かれた看板がある。
けど、そのお品書きにはお客様次第とだけ書かれていて、メニューらしきものは分からなかった。
「なんだ？お客様次第って…」
「全品3500円なのかな？」
「おい早く入ろーぜぇー」
待ちきれない億泰が扉を開く。
チャリーンとドアにつけられた鈴が鳴った。
入って見れば、まるで一軒家を改造したかのような、小ぢんまりとした店だった。
円卓が2つしかなく想像通りに銀食器がきれいに並べられている。
気取ったレストランよりも、受け入れやすい内装だ。
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まゆげ - とても面白くて�，�らイッキ見しちゃいました！まってます❤︎ (1月10日 14時) (
レス) @page41 id: 0d6506373d (このIDを非表示/違反報告)
らりら(プロフ) - 度々読み返してます！更新楽しみにします！無理のない範囲で頑張ってください！応援しています☺︎ (8月12日 23時) (レス) @page41 id: 70cf89f8ce (このIDを非表示/違反報告)
よる - めちゃくちゃ女の子の設定が大好きです！！いい感じに狂ってる異常性が好みです！！ありがとうございます！ (7月5日 11時) (レス) @page41 id: a8f28a0fa7 (このIDを非表示/違反報告)
やぁでぅん - とても面白いですね！！自分ジョジョが大好きなのでとてもありがたいです！！無理のない程度で更新頑張って下さい！！ (2023年2月15日 23時) (レス) id: 92500eea4b (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 大豆太郎さん» 書き込みありがとうございます。1番好きと言っていただけてとても嬉しいです。更新はとても遅いのですが、気楽に、お暇な時にでも覗きに来ていただけますと幸いです。よろしくお願いします。 (2022年9月29日 17時) (レス) id: a1dae06abc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sora
| 作成日時：2020年9月29日 20時
