絵本の中に縛り付けて:: ノルカ▼ もか様からのリクエスト ページ36
絵本の中から出しはしない。ここに縛り付けて永遠に。
☆★☆
私がこの世界に閉じ込められてどれくらい経ったのだろうか。きっと、突然いなくなった私をみんなが心配している。帰りたい。でも、
「A？そんな顔をしないでほしいっしょ」
双子の片割れの赤いこの子が邪魔をしてそれができない。
「綺麗……A」
うっとりとした表情で、私の頬を甘やかに撫でる。触れる。
「A」
何回も呼ばれる自分の名前。その声は、蜂蜜につけて砂糖を加えたほどに甘い。そんな声が私の鼓膜を震わせる。
彼の長い金の爪が喉に当たる。
今にもかっきられそうで、心の中で恐怖が積もっていく。
「ノルカ……」
ヒュッという音が漏れた後、やっとのことでしぼりだして彼の名前を呼ぶ。
嬉しそうに目を細める。
「可愛い可愛い………俺様だけのA。誰にも渡さない。たとえソルカでも……。その目に映るのは俺様だけでいいっしょ」
私に言い聞かせるように、そして、自分に言い聞かせるように言うノルカ。
ノルカと私しかいないこの空間に不気味さを感じてしまっている。彼が怖くて、その不気味さで怖さが増してしまう。逃れるように彼から視線を外すために少し上を向けば、無理矢理顎を掴まれて、引き戻される。
「他を見るな。Aが俺様以外を見ることは許されないっしょ」
首を掴まれて、だんだんと力を入れられていく。気道が狭くなって空気がだんだんと入ってこなくなり苦しくなってくる。脳に酸素が回らない。
「う………」
「苦しい？俺様も苦しい……これで同じっしょ？……泣かないで」
自然とこぼれてきた涙をノルカが愛しそうにそれを拭うが、次々と流れてくる。
彼の舌が涙をペロリと舐める。
「しょっぱい」
「私………帰りたいよ」
「それはダメっしょ」
ギラリと鋭くノルカの目が光る。
「ずっとここに縛り付けてやるっしょ。そうすれば逃げることはできないから」
「みんなが心配してる」
「関係ないっしょ。ずっと、俺様のことを考えていればいいっしょ？楽になれるっしょ」
ううん。辛いよ。あなたのことしか考えられないと……余計に辛くなるよ。
だって、今もみんなの心配している顔が脳裏に浮かぶから。
「Aをここから出さないっしょ。ずっとこの世界で俺様といるっしょ」
絵本の中からは出られない。
Fin
リクエストありがとうございました！
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アロア(プロフ) - ベルナデッタさん» こちらこそリクエストありがとうございました！はい！頑張ります(*≧∀≦*) (2019年7月29日 7時) (
レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
ベルナデッタ(プロフ) - アロアさん» リクありがとうございます！トウマ&ハルヤの取り合いとヤンデレハルヤ最高でした！！これからも頑張ってください！！ (2019年7月29日 1時) (レス) id: d89a449142 (このIDを非表示/違反報告)
アロア(プロフ) - 床に寝転ぶ猫さん» 初めまして！！わぁぁぁ！ありがとうございます！！(*^▽^*)リクエスト了解しました〜♪♪ (2019年7月26日 20時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
床に寝転ぶ猫 - 初めまして!何時も楽しく拝見させていただいております！リクエストなのですが洞潔または島之内先生の★★お願いしますm(_ _)mたくさんリクエストあると思うので大変かと思いますがお願いしますm(_ _)m (2019年7月26日 15時) (レス) id: 52e5b5915e (このIDを非表示/違反報告)
アロア(プロフ) - りーあさん» 分かりました(*´∇｀*) (2019年7月21日 17時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アロア | 作成日時：2019年2月16日 16時
