聞き分け ページ8
【亜嵐side】
広臣「優しすぎんじゃねーの？」
いつになく真剣な目つきの臣さんが
テーブルに頬杖つきながら
もう片方の手で器用にくるくるペン回してる。
広臣「俺だったらすぐ聞くわ。
浮気してんのって。」
亜嵐「臣さん、俺そこまで言ってないっすよ(笑)」
広臣「わかんないじゃんそんなの。
もう学生じゃないんだから毎日会うわけでもないし、どこですれ違ったっておかしくねーじゃん。」
亜嵐「それはそーっすけど。」
いやでもうちの彼女に限って、って付け足しながら
会議が終わった後のテーブルの書類を整理する手を動かす。
広臣「俺さ、結構女の子と遊ぶじゃん。」
亜嵐「はい。･･･え、なんすか突然(笑)」
広臣「そしたら決まって言われんだよ。
仕事そんなに忙しいのか、と
私のこと大事じゃないのか、って。」
はぁ、って曖昧に頷いてると
臣さんが眉寄せて椅子に深くもたれかかった。
広臣「亜嵐の彼女もそう思ってんじゃねーの？
聞き分けよくしてんだよ、お前に嫌われたくないから。
お前、仕事の話彼女にしないんでしょ？
余計にそれが不安にさせてんじゃねーの？」
臣さんの言葉に
書類を揃える手が、自然と止まる。
と同時に なにかが喉でつかえた。
ふと思い出したのは、北海道で見たAの愛想笑い。
…俺が気づいてないだけで、
ほんとは無理させてたのかもしれない。
『大丈夫だよ。』
っていう Aの口癖に甘えて。
広臣「手放したくないなら、ちゃんと繋ぎ止めとけよ。
遠距離なったとき困んだろ。」
亜嵐「…は、え？遠距離？」
意味がわからず、臣さんの凛々しい顔をきょとんと見上げる。
そんな俺を見てニヤリと笑うと
組んでた足を解いて、臣さんが立ち上がった。
広臣「人事部から正式な発表があるまで俺の口から詳しいことは言えねーけど
そろそろ覚悟しとけば？」
……………え
まさか、
亜嵐「ちょ、臣さんそれって、」
広臣「じゃあお先。」
亜嵐「臣さ、」
引き止める声も虚しく、
臣さんが出て行ったドアがガチャンと音を立てて閉められた。
ぽつりと残された広い会議室。
亜嵐「…うそ。」
遠距離
人事部
亜嵐「………異動？」
嘘だろ、こんなに早く。
1人うなだれテーブルに手をつく。
その手を、ぎゅっと握りしめた。
亜嵐「…誰が、手放すかよ。」
.
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りな(プロフ) - はじめまして！久々にすごく引き込まれるお話です！玲於くんと彼女さん、亜嵐くんがどんな答えを出すのかドキドキしてます。更新楽しみにしてます(^^) (2018年6月5日 2時) (
レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
くる(プロフ) - ぴなたまごさんこんにちは！久しぶりに更新されてほんとに嬉しいです（ ; ; ）ぴなたまごさんの作品全作読ませていただいているのですが玲於くんファンってこともあって全部好きです！！このお話も大好きなのでこれからも更新たのしみにしてます！頑張ってください！ (2018年6月3日 10時) (レス) id: b57c603971 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - やっぱりすごいです、お話に引き込まれます。更新…！嬉しいです。また続きを楽しみに待たせていただきます！ (2018年6月1日 20時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
reona(プロフ) - 更新されてないみたいですが、何かあったのでしょうか？更新楽しみにしてます！ (2017年11月13日 2時) (レス) id: a813d90c31 (このIDを非表示/違反報告)
ももぷりん(プロフ) - 会いに来てください〜！うぇるかむです！大好きですこのお話（ ; ; ）更新来るたび飛び跳ねてます！ぴなたまごさんのお話全作好きです、玲於くんと結ばれたらいいなあ、、 更新楽しみにしてます！がんばってください ！ (2017年8月26日 23時) (レス) id: b57c603971 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴなたまご | 作成日時：2017年8月19日 15時
