Bébé ! ページ39
...降谷Aになって少し――
「あっ、零君!そっとね?」
「分かってるよ。」
カフェを後にし、近くの木陰へ移動する。
午後の強い日差しを避けるには丁度良い。
先程からもう待ちきれない彼は、綺麗なスーツに皺がつく事も気にせずその場にしゃがみ込む。
...あれから、
私達に――
「さあ、俺の透に会わせてくれ。」
ぐっ、とベビーカーの中を覗き込みながら
目線の高さを合わせると
それはもう..うっとりと...
ただ一点だけを見つめ始める。
そこには、小さな小さな我が息子。
はちきれんばかりの、まぁるい頬っぺたが
なんとも愛らしい。
...なんと新しい家族が増えたのです!
紆余曲折あったけど、 “ 透 ” と命名。
「透、パパだぞ。」
褐色の大きな手がしっかりと透ちゃんを包み込む最中で、私はやんわりと制止を試みる。
「だ、だめだよ、さっきやっと寝た所なんだよ。」
「そ、そうなのか?ごめん..」
至極残念そうな表情を浮かべるものだから、
断念したと思いきや..しっかりと透ちゃんを
抱きかかえる零君。
「...ちんまりして可愛いな。」
あまりにも柔らかく彼が笑うから、
怒る気なんて、なれなくて..
「零君、いつもそればっかり。透ちゃんは可愛いよ。」
彼の大きな胸の中で眠る、小さな小さな透ちゃんは、愛しさ倍増だ。
彼の長い人差し指が、透ちゃんの柔らかな頬っぺたをぷにぷにと、つついているではないか。
「こいつ...可愛い顔して、中々やるからな。」
「あぁ、この間のオムツ?仕方ないよ、透ちゃんは元気がいいから。」
油断したのだ。
オムツ交換時に何の躊躇もなく、透ちゃんの
キラキラした物が勢い良く噴射。そんな知識なんて
持ち合わせていない私達。呆気にとられ、濡れてしまった事も忘れ2人で笑い合った。
手探りの子育て――
2人で模索奮闘する日々..
「A、いつも家を空けてすまない。1人だときついだろ?」
そんなの..
「零君、ちっとも苦じゃないよ?」
子育てがこんなにも大変だとは思いもしなかった。
だけど、愛する..零君と透ちゃんに囲まれて
私は幸せだよ?
「A..」
零君が私の頬に唇を寄せようとした時...
パチクリと、小さな小さなまぁるいお目目が開く。
ビー玉の様な淡いブルー。
父親が誰かなんて愚問に思える、その容姿。
「ふっ、ふ..ふぇぇぇー !! 」
「透ちゃん!」
「す、すまないっ!」
凄まじい泣き声。零君を動揺させるには十分だった。
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やっち(プロフ) - 良かったです。すれ違いが凄かったけど最後は結婚出来て良かった! (2022年8月4日 6時) (レス) @page49 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - salomeさん» こんにちは!続編のご希望頂きまして有難う御座います(^^)ゆっくりではありますが、只今準備させて頂いてます♪新作と続編、一旦同時にリリースしたいと思っております(*^ω^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - 華花。さん» 初めまして!誤字脱字などお見苦しい点など多々あったにも関わらず、その様に仰って頂き嬉しい限りです(^^)やっぱり自分の好みは中々変えれず、新作も同じ様な雰囲気の作品かもですが宜しくお願い致します(*^o^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - 星の桜さん» 有難う御座います!最高と言って頂けてとても嬉しいです(^^)短編もご希望頂いて俄然創作意欲が湧きます!只今準備中なのでもう少々お待ち下さいませ(*^o^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
salome(プロフ) - 完結おめでとうございます出来たら出産の後の2人目の子育てやハロが降谷家に来た話とがいっぱい書いてほしいです (2019年6月6日 13時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ポポロン | 作成日時:2019年4月14日 4時