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ページ38

「だーめっ!そんなに可愛いく訴えても無駄よ。アンタの旦那、煩いから...」





「えっ、誰がうるさいんですか??」


突如出現する、一世を風靡した美貌。
気持ち悪い程、営業スマイル全開の安室透。
いや...降谷零。
ポアロ勤務が無くなった今でも、
それは健在のようだ。

...しかし、その皮肉を込めた笑顔と柔らかい声色に
似つかわしくない、目の下のクマと少し歪んだネクタイ。

連日連夜の泊まり込みで疲弊している
ようにも映る。



青天の霹靂..
とも言える、この状況。

平日の緩やかな午後の昼下がり――
居るはずの無い人物。




「れ、零くんっ!!」

「げっ、出たっ、」



嬉しそうに目を輝かせるAに、
如何にも胸焼けしてそうな表情の由美。

「おいっ、帰るぞ...って、なんだ..
またイチゴで揉めてるのか。」

なんと微笑ましい小競り合いかと、一瞬頬が緩む。



「零君、零君っ!どうして、ここに居るって分かったの??」

「ん?分かるさ、Aの事なら..何でも。」

「怖っ、エスパーかっつーの...」

「なーんてな..Aの行動は、ワンパターンだからな。」



肩を少し揺らしながら、Aが飲みかけたグラスを
上からひょい、と奪う。


「あっ!私の...」

「...甘っ!」


少しむせながらグラスをAに返す。
イチゴミルクの強烈な甘さで口内を支配された
降谷。



「全くAは本当に、甘い物に目がないんだな。」



褐色の大きな手は、Aの頭部を優しく
何度も撫でているところだ。



「んんっ、零君..」

「...アンタ達ねぇ、」



由美は2人の人目をはばからない甘い雰囲気に
お腹いっぱいにさせられる。





「あらっ、安室さん..じゃなかった、降谷さん。
珍しいわね?お仕事もう終わりなの?」


美和子はバックから、財布を取り出しながら
久しぶりの人物と会話を楽しむ。



「まぁ、そんなとこです。ずっと缶詰状態でしたが、今日やっと帰れたんですよ。」

「そうなの..それは大変だったわね。Aも
てんやわんやだったみたいよ、後で聞いてあげて頂戴。」

「勿論。」



降谷は嬉しそうに答えると、テーブルの隅に
丸められていた伝票を静かに抜き取り
1人レジに向かう。



「あっ、待って!そんなの悪いわ。」

「これくらいさせて下さい。」

「でもっ、」

「いつも “ A達 ” がお世話になってるんです。これくらい、いいじゃないですか。」



― A達 ―


その響きにAの胸がキュンと鳴る。

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設定タグ:降谷零 , 安室透 , 名探偵コナン   
作品ジャンル:アニメ
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やっち(プロフ) - 良かったです。すれ違いが凄かったけど最後は結婚出来て良かった! (2022年8月4日 6時) (レス) @page49 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - salomeさん» こんにちは!続編のご希望頂きまして有難う御座います(^^)ゆっくりではありますが、只今準備させて頂いてます♪新作と続編、一旦同時にリリースしたいと思っております(*^ω^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - 華花。さん» 初めまして!誤字脱字などお見苦しい点など多々あったにも関わらず、その様に仰って頂き嬉しい限りです(^^)やっぱり自分の好みは中々変えれず、新作も同じ様な雰囲気の作品かもですが宜しくお願い致します(*^o^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - 星の桜さん» 有難う御座います!最高と言って頂けてとても嬉しいです(^^)短編もご希望頂いて俄然創作意欲が湧きます!只今準備中なのでもう少々お待ち下さいませ(*^o^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
salome(プロフ) - 完結おめでとうございます出来たら出産の後の2人目の子育てやハロが降谷家に来た話とがいっぱい書いてほしいです (2019年6月6日 13時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ポポロン | 作成日時:2019年4月14日 4時

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