＊ ページ11
「...美和子さん。2人共
本当に有難うございます。」
もう一度だけ軽く会釈し病室へ向かおうとするが、
足が途中で止まってしまう。
前へ...進みたい筈なのに。
片手に握りしめていた紙袋が緩やかに揺れている。
この紙袋には、Aがかつて好きだった物が
入っているのだ。
降谷の “ 想い ” が詰まったものが――
早くこれを届けたい..
早くAに会いたい..
なのに..
一瞬、躊躇したのだ。
Aに会う事を..
「何？行かないわけ？」
降谷を見守っていた由美が、優しく問いかける。
「いや...Aに合わせる顔が無くて..」
それを聞き、誰しもが一言物申そうとした。
痛々しいAの姿を..
降谷以外、皆知っていたから..
「..な、何言ってるんですかっ！！？まだ..そんな事を言うのですか！？」
「風見？」
降谷の側には、声を荒げ感情的な部下が立っていた。見た事の無い部下の主張に、降谷は戸惑いを隠せない。
「私が口出し出来る立場じゃない事は、百も承知で申し上げます。降谷さんが多忙なのも承知です。だけど、貴方は入院中のAさんに会ってないからそんな事が言えるんです。」
凛とした風見の漆黒の瞳が、眼鏡越しでもしっかり
見えた。その視線は力強く降谷に訴えている。
「響かないんですよっ！」
「風見、おい..落ちつけ。」
「落ちつける訳ないでしょう！降谷さんの大切な人が苦しんでいるんですよ？」
「 ..... 」
「響かないです。私や..由美さん、美和子さん...皆が彼女に何を言っても。降谷さんの...貴方の..貴方の言葉じゃないと駄目なんです！ずっとAさんは待ち続けてるんです。」
「もう..ずっとずっと前から...」と、付け加える。
「どうして、Aさんから目を背けるんですか？」
「...そんなつもりは――」
「2人は愛し合ってる。ずっとずっと前から。
そして、今でも...違いますかっ！！？」
弱気になっていたのだ。
Aを苦しめた事の背徳感を解消出来ない事。
それに加え、目が回る程の多忙な日々に忙殺され、
いつもの彼らしい自信が消えかかっていたのかもしれない。
「それが..出来ないから、困っている。
素直に謝罪しやり直せたらいいのにな..」
「かーっ！あんたもAも、めんどくさいのよ、
本当に。もうっ！Aの事どう思ってるのよ。」
「えっ、」
「好きなの？嫌いなの？どっちっ！！？」
由美の喝で、目が覚める――
..
「好きに決まってるだろっ！！！」
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やっち(プロフ) - 良かったです。すれ違いが凄かったけど最後は結婚出来て良かった! (2022年8月4日 6時) (
レス) @page49 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - salomeさん» こんにちは！続編のご希望頂きまして有難う御座います(^^)ゆっくりではありますが、只今準備させて頂いてます♪新作と続編、一旦同時にリリースしたいと思っております(*^ω^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - 華花。さん» 初めまして！誤字脱字などお見苦しい点など多々あったにも関わらず、その様に仰って頂き嬉しい限りです(^^)やっぱり自分の好みは中々変えれず、新作も同じ様な雰囲気の作品かもですが宜しくお願い致します(*^o^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - 星の桜さん» 有難う御座います！最高と言って頂けてとても嬉しいです(^^)短編もご希望頂いて俄然創作意欲が湧きます！只今準備中なのでもう少々お待ち下さいませ(*^o^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
salome(プロフ) - 完結おめでとうございます出来たら出産の後の２人目の子育てやハロが降谷家に来た話とがいっぱい書いてほしいです (2019年6月6日 13時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2019年4月14日 4時
