color〜いろとりどり 2

story-80.手越side ページ32

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手越side


スタッフ「増田さん、」


スタッフさんに呼ばれて、「ん？」と言いながらぽてぽてと歩いていく背中を見送る。


たぶん、衣装の最終チェックだと思うけど、若干猫背で、衣装の襟元をさわりながらスタッフさんとなんか話してる。



すっごい真剣で、さっきと全然ちがう。



…最近、まっすーが今まであんまり見たことない顔をする。


前はスマホ見てたときだっけな。たしか。


あとは…そう、さっきも。


まっすーって、俺とは全然真逆の性格だと思うし、結構難しいんだよね。


よくわかんないからどういう感情なんだろって思ってるけど、やっぱりわかんない。



考えても分かんないことはあっさり諦めて、メイクまで時間があるし、また暗幕の隙間から会場をながめる。



Aちゃんは、機械が並んでるところの近くの席に座っていた。



手越「関係者席じゃないんだ。」



時折、手帳をだして何か書き込んだり、スタッフさんに話しかけたり、スマホを触ったり…なんかすんげー真剣な顔。



手越「まじで真面目じゃん。(笑)」


上を見上げてみたり、立ち上がったり、座ったりしているAちゃんをぼんやり眺めていると、少しずつお客さんが入り始めた。


カラフルだったり、ふわふわだったり、制服だったり。


ファンのみんながたのしそうな顔に俺の気分もどんどん高まってくる。



Aちゃんも楽しんでくれるといいな。

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