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A「少し弱めるから、力、入れないでね?足の裏、ちょっと張ってるけど疲れてる?」
増田「疲れてる…かもね。」
天井を見上げながら、ぽつりとまっすーがつぶやく声が少し寂しそうだった。
足裏から足首へマッサージする場所を移動しながら、身体の気になる事を伝える。
A「まっすー。上半身ごつい割りに腰細いよね。
あたしもね、腰細いんだ。あ、いい意味じゃなくて、体幹が弱くて。鍛えれば良いんだけど…」
増田「あ、俺も言われた。」
A「でもねぇ、」
増田、A「「ずっとはつづけらんないよねぇ〜」」
増田「ふふふ…いててて…」
A「あ、ごめん笑かしちゃったね。」
増田「ふふ、俺がごめん。ジッとしとく。」
そう言ってまっすーは目を閉じた。
そのあと、マッサージしながらぽつりぽつりと会話をしていた。
マッサージのことや、今日街中で見た景色や、食べ物の話…最初は、そうなんだーって優しい相槌が聴こえていたけど、だんだん反応が鈍くなってきていた。
しばらくすると、すーすーと規則正しい息づかいが聞こえてきた。
A「…寝ちゃった。」
太ももをマッサージする手を少しだけ止めて、顔をのぞきこむ。
口元を腕で隠すようにしているまっすーの寝顔はいつもよりも随分幼い顔をしていた。
いろんな人にマッサージをしてきたけど、こうやって眠る姿を見るのは嫌いじゃない。
身を委ねてくれてる気がして。
心を許してくれてる気がして。
必要としてくれている気がして。
A「……困って、頼ってほしいなんて、おかしいよね。」
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作者名:prco | 作成日時:2018年2月7日 23時