color～いろとりどり (ページ47)

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story-46.＊増田side ページ47

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増田side

部屋のインターフォンが鳴り、かちゃりと鍵をあける。

増田「…ごめん、ドア自分で開けてもらっていい？」

その声を合図にドアが少しだけ開き、その間から、申し訳なさそうな困ったような表情のAちゃんが顔を覗かせる。

増田「ほんとごめんね。ありがとう。」

A「……」

なかなか中に入ってこないAちゃん。

増田「？どうしたの？…あ…。ごめん。怖いよね？何もしないから。てゆーか何も出来ないから(笑)安心して？」

A「あ、いや、怖くはないよ…。えーっと……。おじゃましぁす…」

観念したようにドアを開けてそーっと中に入ってきたAちゃんは、
シンプルなベージュのバックに
ベージュのパンプス
ロールアップした細身のデニム
少し長い丈の白いニット
そして俺があげたコートを羽織って
片手にスーパーの袋を下げていた。

自分のコートを女の子が着たらこんな風になるんだって。正直……めっちゃ萌える。

そんな俺の視線に気づいたAちゃんが、さらに申し訳なさそうに眉を下げる。

A「あー…ごめんね。さっそく着ちゃって…。なんか浮かれてるみたいに見えるよね。いや、まさかまっすーに会うと思ってなかったから…。」

増田「え、なんでなんで。着てくれてありがたいよ、それにめっちゃ…‼いてててて。」

無意識に力を込めて話した事によってまた腰に激痛が走る。

A「大丈夫？！とりあえず、横になろう」

とっさに伸びてきたAちゃんの腕にすがり、またよたよたとリビングに戻る。

増田「ありがとう…」

躊躇なく脇を支えるAちゃんの腕にまた安堵感を覚え、やっぱり俺弱ってんな。と思った。

ふと横顔を見ると、いつもと違う、でも知ってる表情のAちゃんだった。

…あ…手越が怪我した時と同じ顔。