story-4.＊ ページ5
……
A「なっちゃん！」
なつ「はい！ぽんちゃん！」
なっちゃんからパスをうけ、コートの左側を最近漸く出来ようになった足裏を使ったドリブルで上がる。
、、、決して速くはないんだけど。
どこかパスが出せる場所が無いかと顔をあげる。
コートの逆サイド、右側にいる彼と目が合った。
ーーーサッカー部さんにパスしかない！
パスを蹴る動作にはいった瞬間…
キャプテン「大会だと思ってディフェスしろ！」
Aチームのキャプテンの声を合図にわたしの前にディフェスが2人つめてきた
A「ぉわっ、、」
急な敵の動きに動揺してしまい、力んでしまった足元から放たれたボール。
決して緩やかではない弾道と弧を描いてゴール前に疾った。
ーーーやばい！思ってたより強く蹴っちゃった……
A「ごめんなさい！」
ーーーさすがにこれは誰の足にも触れることなくコートから出るだろうな…
諦めてボールから目を離そうとした時に。
コートの右側からゴール前に向かって
走る彼。
ふわっとジャンプし、ボールの軌道にピンポイントで合わせた頭を大きく振り抜いた。
「パサッッ」
、
、
、
1秒前まで、諦めの対象でしかなかったボール。
彼がかぶっていたニット帽とともにゴールネットをゆらした。
「「「おおお！ナイシュー！！」」」
敵味方関わらず、歓声が上がる。
わたしもゴール前の彼に駆け寄り、讃える。
A「ナイスですっ！……あの、ごめんなさい変なパス「ナイスパスっ」」
少し控えめな声で、でも、謝罪を遮るように言った。
ニット帽とボールを拾いながら振り返った彼の目元には
おとぎ話で読んだ王子様のような
金色の髪がサラサラとかかっていた
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作者名：prco | 作成日時：2018年2月7日 23時
