color～いろとりどり (ページ31)

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story-30.＊増田side ページ31

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増田side

増田「いや、だからそれじゃ今日の会の目的が果たせないじゃん！(笑)」

A「いやだ、払う」

いまは、支払いを済ませて店を出たところで財布を出す彼女の申し出を断ってるところ。

増田「ほんとに大したことないし、お礼なんだからいいから」

A「でも…」

増田「んじゃあ、また今度、もっと高級な店でお返ししようか？」

A「ううう…」

増田「あはは。ほんと、こんなとこで申し訳ないくらい、感謝してるんだから」

A「……今日はありがとう。ごちそうさま。」

そういって、頭を下げながらようやく財布をしまう。

増田「いやいやこちらこそありがとう。家まで送っていくよ。」

A「あー…、またフットサル場まで送ってもらえると…自転車あるし」

増田「あ！そうなの？なんかごめんね？」

A「ううん。せっかく気を使ってもらったのにこちらこそごめんね。」

眉を下げて申し訳なさそうな顔をされて、これはまたごめんの応酬になると思い、話題を変える。

増田「じゃ、行こっか」

そういって先に車に乗ると、さっきと同じように遠慮がちに助手席に乗り込んできた。

シートベルトをしたのを確認して、ゆっくり車を走り出させる。

増田「あの店、大将もすげーいい人だし、味もうまいしすきなんだよねー」

A「ほんと美味しかったー！」

よっぽど気にいってくれたのか、車の中ではずっと、ラーメンと餃子と杏仁豆腐について食レポをしてくれる。

増田「そんなに気に入ってくれたなら良かった(笑)また来よっか。」

今日のこと、これからももしかしたら思い返すことがあるかもしれない、なぜかそんな予感がした。

ーーーもし、この時、そのまま家に送ってたら。