story-25.＊増田side ページ26
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増田side
助手席側をコンコンと叩かれ、窓を開ける。
増田「こんにちは」
A「…こ、こんにちは。お待たせしちゃってすいません」
増田「いや、ちょうどいいくらいでしたよ。とりあえず車出ししますね。乗っちゃってください」
A「はい。えっと…後ろの方がいいですよね？」
増田「いや、助手席でいいです(笑)」
A「……失礼します…」
少し戸惑いながら遠慮がちに乗ってくる感じと、ごくごく一般的なシャンプーの匂いがすごく新鮮で、頬が緩む。
そんな俺を見て、首をかしげられる。
増田「あのー、あれですね、フットサル、めっちゃ好きなんですね」
A「あー。好きですねー。でも全然うまくなんなくて…もうアラサーなのに、やめ時がわからないというか…」
増田「え、アラサーっていってもあと30まで4.5年ありますよね？」
A「いや…わたし丑年ですよ。」
増田「え？？干支？(笑)あ、でも…おれ寅年？だから歳上なんだ！見えないね！あ、ごめんなさいタメ語。」
A「いいですよ。てゆーか最初の時タメ口だったですし。なんで電話の時から敬語なんだろって思ってました。」
増田「いや、なんか、お礼のLINEがかしこまった感じになっちゃってそれにひっぱられたというか。」
A「気にしないです。名前も呼び捨てでいいし。」
膝に置いたリュックをぎゅうっと抱え、なんでか拗ねた口調で彼女は話す。
そんな姿を視界の端で捉えながら前を向いて運転し、会話を続ける。
増田「うーん。え、そうなったら……ふくらはぎ？」
A「え！」
バッとこちらを振り返った。
A「それ、ただの身体の部位！！」
増田「だめだめ！(笑)本当にふくらはぎの話ししてるとき、こっち？それともわたし？ってなっちゃう！」
A「なっちゃいます(笑)」
増田「やばいやばい(笑)でもさー、手越がふくらはぎちゃんって呼んでるのしか名前わかんないんだもん。名前教えてよ。」
A「あはは。Aです」
増田「Aちゃんね。よろしくお願いします」
A「よろしくお願いします。えっと…。」
増田「あ、俺ね。俺はねー、増田貴久。まっすーって呼ばれることが多いかな。」
A「まっすーくん？」
増田「あだ名にくんつけるの？？(笑)」
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作者名：prco | 作成日時：2018年2月7日 23時
