story-20.*増田side ページ21
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増田side
あれから手越を病院に連れて行った。
幸い大したことがなく、手越も一時的に庇っていた事もあったが、今ではほぼ問題なく生活も仕事もこなしている。
あの時車で小さくなっていたのなんか嘘のように、楽屋でデカイ声出してゲームしてる。
手越「わー!雑魚だこいつー!」
小山「手越なんのゲームしてんのー?」
加藤「ねぇ、ほんとうるさい!」
こんな風に周りががちゃがちゃしてるのなんかもう慣れたもの。
俺は俺で、打ち合わせのための準備をしようと、コンサートの構成や衣装のことを記録したメモを見返し、資料に書き写していた。
ふと、スマホの中に、英数字の羅列がメモされた画面を見つけ、あの子のことを思い出す。
増田「ねぇ、てごしい。そういえば、あれからフットサル行ったの?」
手越「ふえ?ん、ああ…行ってない!」
増田「じゃあ、あの子にお礼言ってない?」
手越「あの子?ああ!ふくらはぎちゃんね!うん、会ったら言おうとは思ってるんだけど」
増田「そうなんだ。ふーん」
そう言ってまたスマホに視線を戻すと、俺たちのやり取りを聞いていた小山から好奇の視線を感じる。
小山「えっ、なに?ふくらはぎってなに?」
手越「なんでもない!なんでもない!」
小山「ねぇ、まっすーも知ってるの?なになに?」
増田「…」
小山「なんで!教えてよ!」
加藤「こやまぁ!うるさいよ!ほら!打ち合わせ始まるから!行くよ!」
シゲ、ナイス。
別にやましい事ないけど、ケガした事、黙ってようって手越と約束したんだ。
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作者名:prco | 作成日時:2018年2月7日 23時