color～いろとりどり (ページ20)

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story-19.＊増田side ページ20

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増田side

後部座席に乗った手越に荷物を渡したあと、スマホの画面を確認すると、手越のふくらはぎから氷を巻いたタオルを解いた。

「…。氷、今15分経ったから1回外したの。また、痛みが出たら15分冷やして、痛みが出たら冷やしてっていうのを繰り返して。それで多少はましなはずだから…。」

手越「うんうん、ありがと。ふくらはぎちゃん、なんかごめんね？」

ふるふるふるっと首を横に振る。

後部座席のドアを閉めたあとも、しばらく車のそばを離れなかった。

ーまるで、自分が加害者かのように、青ざめた顔して。

ーたぶん、

ーすこし震えてる。

増田「…あの、さ、なんか分かったら連絡するから連絡先教えといてくれる？」

「は、はい…えーとえーと…LINEでいいですか？」

増田「じゃあ…ID教えてもらっといていい？」

念のため、こっちのは教えない。念のためね。

「はい。IDは…これです。」

スマホの画面を見せられ、スマホのメモ機能へ打ち込む。

増田「分かった。じゃあ、、、ありがとう」

「はい。手越くんをお願いします。」

右手をあげてあいさつし、車に乗り込みエンジンをかける。

窓越しに手越も彼女に手を振り、それに応えるように小さく手を振り返したあと車から少し離れる姿を確認してから駐車場のゲートへ向かう。

ちらっとルームミラーを見ると、彼女がまだ立っていた。

駐車場を出て一つめの角を曲がって、彼女の姿が見えなくなるとようやく手越と2人の空間になった気がして、ふぅーっとため息をついた。

増田「おい。」
手越「あい。ごめんなさい。」

膝にのせたリュックで口元を隠し、小さい声で答えた。

まぁ、本人もケガしたくてしてるのは分かってるし、させられた立場なのはわかってるけど。

でも少しだけ許せなかった。