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「なんだよ…コレ」
「……レオナ」
オーバーブロットしていたのだ。だからあんな嫌な感じがしたのだ。
だいたいの顛末は理解した。それでも、そんなにストレスだったのだろうか?レオナにとって、負け続けることは。
……だが、人間にとって何が自分の心を苦しめるかなんて、その人次第だ。レオナにとっては「王にならない」ということだっただけ。
しかし僕とセトには、そんなことを理解できる訳がない。僕らは、王族でもなんでもないから。
「まーでもたしかにコレは、言いたくないな」
「うん。めちゃくちゃカッコ悪いね」
だが、こういうところだけは、共感できてしまう。
いいきっかけだったに違いない。寮生が、レオナに親近感を覚えることへの。そりゃあ、変わらないわけがない。
レオナが変わったんじゃない。彼を取り巻く目と、考えが、少しだけ変化したのだ。その変化に、セトは気づいていたんだろう。
「で、コイツは誰だ」
「…あぁ」
セトが目をつけたのは、腕章もベストもしていない1年生だった。
「1年生だよ。魔法が使えない」
「そんな奴がなんでここに来たんだよ」
「知らない。でもあの子も何も分かってないみたいで、学園長が調べているらしい」
そう言うとセトは「絶対調べてねぇよ」と呆れまじりに返した。それには僕も同感だ。基本的に学園長は信用していない。
「それにしても…どうしてこの子はこんなに交友関係が広いんだろう?」
「……ハーツラビュルで何かあったのか?」
「知るわけないだろ。でも、その可能性が1番高い」
これ以上考えても何も出てこないだろう。僕たちは、寮に戻る。
……しかし、この半年で、少なくとも2回はオーバーブロットが起こった。……関係ある、か?…無いことにするか。
セトと学園に向かう途中、こんなことを聞かれた。
「A、文化祭のときヒマだろ?オレたちの発表聞いてくれないか?」
「え!いいの!?行く!」
セトが素直に頼んできたのが、驚きすぎて即了承。
「なんだっけ?魔法薬の自動錬成についてだっけ?」
「ああ、レインと共同で研究してたやつの延長だ」
実習で2人とも別に研究してたかと思ったが、違ったようだ。ということは、一緒に実習に行った。
「え、レインのとこ行こ」
「待てよ!」
すごい力で止められた。
「今から研究発表の資料作りだから、オレについてきたら会えるぞ」
「えー、ネタバレ喰らいたくないから却下で」
「……へーへーわかったよ」
それに、僕も今から監督生に会う。
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しあ(プロフ) - 雪華さん» コメントありがとうございます。最近ですと呪術廻戦ですかね。 (2021年3月5日 21時) (レス) id: 46cd819be0 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 高評価しました!知ってるアニメは何ですか? (2021年3月5日 21時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しあ | 作成日時:2021年2月28日 20時