28 ページ28
これで決着は次にもつれ込んだ。もう明日は筋肉痛で動けないだろうな。と僕は密かに思った。
「ラギー、その程度じゃまだまだ、」
セトがそう言って肩に手を置こうとしたのを、ラギーは振り払った。
「一回は負けた口がよく言うっスねェ」
「…ハッ、ハハッ！言ったな？じゃあ次だ」
セトの、相手を射殺すような目に僕は引いた。対抗しているラギーも大概だが、どうしてこう喧嘩腰になるのか。これでは学園いちガラが悪いと言われても仕方ないだろう。
しかし、とりあえず最終戦だ。ささっと終わらせてしまいたい。
「スタート！」
開戦の合図が聞こえた。僕らはいっせいに走り出す。今度はどう来るだろうか。警戒は緩められない。まだラギーたちは妨害しに来ない。あっちも見定めているのだ。さっきの僕のを警戒して。
ただ、動かなければゴールを決められる。しかし、ディスクは僕が持っている。睨み合っていると、彼らはくるりと方向転換した。
「セトさん！ご退場願うっス！」
「セト！」
パートナーを崩しにかかった！いや、遅らせている。僕だけ走らせてパスしにくくさせるつもりか。しかしスピードを落とせば、ゴールを確実に決められる距離には届かない。それが狙いか？
どうするべきだろう。
助けにいく？いや、それではディスクを奪われる。
なら、このまま突っ走る？…違うな。それだとゴール前に来た途端にアイツらは、こっちを狙ってくる。僕はセトにパスできずに奪われる可能性が、高い。
どうすれば、この危機的な状況を乗り越えられる？
考えろ！考えろ！
「走れA！」
「は！？」
「
セトは、そう叫ぶと、自分の左手首を思いっきり殴った。自分で、自分を殴ったのだ。
すると、ラギーが「いっっった！」と叫んだ。そして彼らの動きが止まった。
一瞬なにが起こったのか理解できなかった。しかし、このチャンスを逃すわけにはいかない。僕は全速力で走っていき、
「いけええぇ！」
ゴールを決めた。
勝負は、僕らの勝ちだ。そう思って振り返ると、セトは手首を痛そうにさすりながら、ニッとこっちに笑いかけた。僕は、セトのところに急いだ。
「おい馬鹿、なんで自分を殴ったんだ！」
「馬鹿はお前だA！オレのユニーク魔法を忘れたのか？あぁ？」
「そもそも聞いたことねーよ！」
勝利に喜ぶかと思えば、喧嘩をはじめた僕らに、サバナクローの生徒たちはドン引きしていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 46人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しあ(プロフ) - 雪華さん» コメントありがとうございます。最近ですと呪術廻戦ですかね。 (2021年3月5日 21時) (
レス) id: 46cd819be0 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 高評価しました!知ってるアニメは何ですか? (2021年3月5日 21時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しあ | 作成日時：2021年2月28日 20時
