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「いい度胸じゃねぇか、セト。…いいぜ、好きなやつとタッグを組ませてやる」
あれ？意外と乗り気だな。
…で？なんでセトとタッグ組んでるんだ？僕は。
「やんぞー」
やる気がみなぎってるよ、セトさん。そのやる気は別のところで発揮しよう？
「ラギーが相手だからな、気ぃ抜くなよ」
「…へーい」
「おいおい、負けていいのかー？」
仲間から挑発行為を受けている。ペアを変えてくれ。
こんな煽りは聞き流しておこう。
ルールは簡単だ。僕らは2人で攻撃。ディスクをゴールに入れる。それまでラギーのタッグから、妨害を受ける。ディスクを取られたら負け。それを3番勝負で勝ち負けを決める。
ずっと攻撃でいいのかな。そう言うとラギーは、妨害の練習だから、と言って笑った。
「不正は無しですよ」
ジャックくんはそういうことに厳しい。
「では、スタート！」
箒からぶら下がってるな。…ラギー、妨害魔法が上手くなっている。しかも命中率も高い。正確性も上がってるなんて、さすが。
対してこっちは…運動してないアンドしたくない野郎ども。元々のポテンシャルだけが頼りにできるところ。しかも、現役マジフト部と違ってその競技のためだけの練習なんて一切したことがない。
「クッソ…」
「シシシッ！取られちゃいましたねーAさん」
思いの外悔しい。けど、セトは僕よりも悔しいだろうな。
「ごめん、セト」
「いい。それよりもA、本気出さなかったろ」
「…そりゃあ」
当たり前だ。妖精族の血が思ったよりも濃かった僕は、並の人間よりいろんな能力が高い。自慢じゃない。むしろコンプレックスだ。
「マレウスと比べられても、負けるのは勘弁だろ」
「……僕のやる気の出し方を知っているようで」
それでいいのか自分。
マレウスなんかをねたましく思う感情が、やる気を出すなんて、どうかしてる。
「2回戦、続けて行くっスよー」
「…スタート！」
たしかに、次はアイツに勝ってほしい。願わくば、吠え面をかかせてやってほしい。
ならば、手加減しては、練習にならない。
「おいセトー！？ついてこいよ？」
「あー任せとけって！」
飛び上がる。
低いところにまで高度を下げたラギーを超えて、方向転換に戸惑っている隙にセトにパスする。そして、そのままセトは、ロングシュートを決めた。
「っしゃあ！」
ノールックでハイタッチ、それくらいできる。ずっと一緒にいたから。
「さすがっす！セト先輩！」
…意外と人気なんだな、寮生に。
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しあ(プロフ) - 雪華さん» コメントありがとうございます。最近ですと呪術廻戦ですかね。 (2021年3月5日 21時) (
レス) id: 46cd819be0 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 高評価しました!知ってるアニメは何ですか? (2021年3月5日 21時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しあ | 作成日時：2021年2月28日 20時
