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「あーもー！サイアクだ」
「ごめんてー」
セトが絶賛お怒りの様子だが、僕が謝っても聞いてくれない。なんなんだろう。本当に僕の方が悪い気がしてきた。
「なぁA、真剣な話をしていいか？」
「…なに？」
「何かあったか？この寮」
…急だなぁ。
でも、セトも気付いたのだろう。レオナや寮生たちの微妙な変化に。
「あったとは思う。けど具体的には知らないな」
しかし僕は、変に足を突っ込みたくない。だから気づいてないふりをする。
だけど、セトはきっと、
「…わかった、明日アイツらをコテンパンにして聞いてやる」
そう言う。なんだかんだで自寮のことを考えているから。
「がんばれよ、セト」
「は？お前もに決まってんだろ」
「えー、やだー」
巻き込み事故か？
「ったく、散々脅されたんだ。ちったぁ返してやんねぇと、なぁ？」
前言撤回。コイツ、自己中だ。
朝、暖かい布団から抜け出せそうにない。昔からそうだ。それでいつもおばあちゃんに引っ張り出された。けど、僕はまだ寝ていたくて…
「起きろAコラ！」
「あー…うるせー…」
セトに叩き起こされた。ツキノワグマのくせに。冬眠しないのか。
嫌々ながらも布団から出てきて、顔を洗う。しかしまだ眠い。
「ん？」
その時、スマホが震えた。誰だよ、こんな朝っぱらから。しかもちょうど寝起きの時に。
「…もしもし？」
「出たわね」
驚きすぎてスマホを落としかけた。
その声は、紛れもなくヴィルさんの声だった。聞き間違えるはずもない。
「な、なんでしょう…？」
「何をびびってるの、今日の家事は済ませておいてあげたって報告よ」
「あ、あー。ありがとうございます」
でも、電話のおかげで完全に目が覚めた。ヴィルさんには感謝した。いつもはコワイけど。だって意外と力が強い。
魔法で早着替えをして、体操服に。そのままマジフト場に出た。
「おはよーございます」
すでに寮生たちがトレーニングを始めていた。その中には、ちゃんとレオナもいた。
「来たか」
レオナが振り返った途端、セトは走って彼のもとに行く。…面倒なことになりそうだ。
「先輩…変わりましたね」
「あ？だからなんだ」
「…オレらが勝ったら、ここで、何があったか教えてください」
は？アイツ、ハッタリかましやがった。「ここ」で何かが起こったとか知らないだろ。そんな目線を送っていると、セトは悪徳セールスマンみたいな顔で、「あとで」なんて口パクで伝えてきた。器用なことするなよ、セトのくせに。
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しあ(プロフ) - 雪華さん» コメントありがとうございます。最近ですと呪術廻戦ですかね。 (2021年3月5日 21時) (
レス) id: 46cd819be0 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 高評価しました!知ってるアニメは何ですか? (2021年3月5日 21時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しあ | 作成日時：2021年2月28日 20時
