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さあ！動物言語の時間だ！
と思ったら、
「A先輩！」
「ユウ、どうしたんだよ」
「グリムが逃げました！」
めんどくさいことになった。
一応、授業中だってのによくそんなことするな。まあ、アイツにとっちゃ僕との時間なんてつまんないのだろうけど。
学園中を探し回った結果、見つけることができた。
「おいグリム！」
「やっべぇ見つかった！」
あ、奇襲したらよかった。
走って追いかけるが、なにせ相手はすばしっこい動物だ。簡単に人間が追いつくわけがない。
「ユウ、下がって」
「へ？」
マジカルペンを構える。そして、
「いでよ！網！」
グリムの頭上に網を落としてやった。上手くかかってくれた。奴がもがいている隙に、網の上から鷲掴みにする。
「捕獲完了」
「おー」
拍手しながら、ユウがこっちにやってきた。グリムは観念したようだ。ならいいやと網から外してやった。
「ん？オマエ、さわらないんじゃなかったのか？」
「あ、ホントだ！さわれてる！」
気づかなかった。自分でもびっくりしている。いままでさわれたことなかったのに。
ちょっとだけ、自分を疑っている。
僕は今空き教室に戻って、事情聴取されている。いや、多分違う。
「なんで、触りたくなかったんですか？」
「だから理性がないからだって」
「違いますよね？」
本当に話したくない。でもさっきの一件で、その理由じゃないと思われたようだ。
で、この監督生、意外と頑固だ。意地でも聞き出す気らしい。…折れるしかなさそうだ。
「…はぁ、いいよ。話すから」
頑固さでいえば、自分もかなりの方だけどこの子よりは下だったようだ。
「……昔、噛まれたことがあって」
「え？」
なに腑抜けた顔してるんだろう。
「近所の野良猫に」
「…ホントにそれだけなのか？」
お前もか。
「そうだよ、それだけだって」
「ダサい…」
ジロリとユウを睨む。「仕方ないだろ、トラウマなんだよ。子どもの時だったし」と言うと、2人とも笑い出した。どこが笑えるんだ。そう言うとユウは、心底楽しそうな顔でこう答えた。
「だって…貴方みたいな人が言い訳までしてやりたくなかった理由が、こんな、こんな普通だなんて」
ひどい。普通に酷かった。最近の後輩はみんな上級生に対する態度がひどい。どうしてこうなった。ため息がこぼれた。
「案外お子様なんだゾ！」
「あ？」
お前だけは許さない。ガン飛ばしたらすぐビビり上がったので、しばらくナメられることはないだろう。やっぱり動物は嫌いだ。
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しあ(プロフ) - 雪華さん» コメントありがとうございます。最近ですと呪術廻戦ですかね。 (2021年3月5日 21時) (
レス) id: 46cd819be0 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 高評価しました!知ってるアニメは何ですか? (2021年3月5日 21時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しあ | 作成日時：2021年2月28日 20時
