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どうだ、いやまだ折れないか。よほどのことと見える。なら、じわじわと。
「どうせこの部屋とかで起こってるだろうし、だって契約書は金庫の中だもんなぁ？」
「何？アロワナくん喧嘩売ってんの？」
フロイドが表情の抜けた顔で僕を見てきた。…久しぶりに見たらこわいなー。無視しよ。
「…フロイド」
アズールの一声で、彼は身を引いた。やばかった。ていうかこの感じ、僕の方がカチコミしてるみたいだ。
「いいでしょう、話します」
その瞬間、ジェイドとフロイドが表情をかたくした。
僕は、黙って聞く姿勢をとった。
「オーバーブロット…」
レオナすげーな。ていうか監督生ヤベー！というのが率直な感想だが、
「ええ、しかしあの時のことは何も覚えてません」
「アズール最高にダサかった〜」
オーバーブロットしていながら、2人との関係性は特に変わったところがない。むしろ、オーバーブロットでさえも、笑い話にできる。
「アズール…よかったね」
「…は？」
「いや、心配してたんだよ？これでも」
「貴方に心配される筋合いはありませんよ」
そう言って、アズールは笑った。僕もつられて笑った。この様子だと、もう大丈夫だろう。
でも、本当に心配だった。あんな大量の契約書を抱えていたら、いつか、それこそオーバーブロットしていたんじゃないかと思っていたから。
「…ん？」
スマホが急に鳴り出した。電話だった。誰からだろうと思って画面を見たら、
「やっば…！」
ヴィルだった。
「はい、もしもし！すぐ帰ります！すいません！」
それだけ言って切った。
そして、頭の上に「？」が浮かんでいるアズールたちに挨拶して、モストロ・ラウンジを飛び出した。
しかし、そんな焦りとは裏腹に、僕はとてもスッキリしていた。
ずっと恨みを買っていたであろうそのカフェが、やっと「憩いの場」という本来の目的を思い出しているように感じられた。
結局、ヴィルさんには死ぬほど怒られた。
その夜、オンボロ寮での自室で、僕は物思いにふけっていた。
「まったく…ハッタリなんて使うもんじゃないな」
僕が、彼らに話させるために使った「ユニーク魔法」だが、あれは半分は本当で、半分はハッタリだった。
要するに、一か八かの賭けだったのだ。
結果はよかったものの、あれが嘘だとバレていたらフロイドにしめられていただろう。柄にもなく緊張した。
…監督生だ。…どうやってレオナに協力を取り付けたんだろう。あの子とレオナに、どこで接点ができたんだろう。
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しあ(プロフ) - 雪華さん» コメントありがとうございます。最近ですと呪術廻戦ですかね。 (2021年3月5日 21時) (
レス) id: 46cd819be0 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 高評価しました!知ってるアニメは何ですか? (2021年3月5日 21時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しあ | 作成日時：2021年2月28日 20時
