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「………どっちが可愛い?」


咥えたまま喋るから、カランカラン、と箸が落ちた。

その音にびっくりして我に返ったように
慌てて大きな目をこっちに向けて、


「ごめん、何でもな」

「ひかる」

「え?」

「ひかる」


自分で訊いてきたくせに、
何のハナシ?みたいな目をしている。


「ひかるの方が可愛い」

「…」


みるみるうちにひかるは俯いてしまって、
黙々とラーメンを食べるのを再開してしまった。

でもその耳は真っ赤だから、
言ってる意味はしっかり理解してるんだろう。


俺にとっちゃ、
オンナノコの格好しててもしてなくても、
どっちも変わらず可愛い。


だから今度ふたりでどっか出掛けようぜ?
そのニットを着て来てくれたら、それで十分。



「………やぶ、デートしよ」



スープの中に親の仇でも居んのか?ってほどに
険しい表情で俯いたまま言うから、
思わず笑ってしまった。


「…っ!笑うなよ!」

「今誘おうと思ってた」

「!」


あーとかうーとか言いながらしばらく
でっかい目をぐるぐるさせた後、
やっと嬉しそうにはにかんでくれた。







「あーあ、またふたりになっちゃった」


竹下通りから1本入った
ピンクでごちゃごちゃしたカフェの片隅で、
山田の柔らかい頬を伊野尾が引っ張って遊んでいる。


「ひかるくん、可愛かったのになあ〜」

「薮に取られちゃったねえ」


頬杖をつきながら山田は、残念そうに溜息を吐く。

見つめるスマホには、薮と八乙女のツーショット。
涙袋をたっぷり浮かせて笑う八乙女は、
先日お気に入りに仲間入りしたあのニットを着ている。


「いーじゃんやまだ。こっちもデートだよ」


ぷく、と膨らませた頬をまたつつく。


ぷ、と抜けた空気を閉じ込めるように
ちゅ、とキスをして、ふたりはクスクスと笑った。


通行人は、誰もふたりに気付かない。



fin.



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地雷回超可愛かったですね!!!おJUMPさんのますますのご活躍を祈りつつ、皆さま良いお年をお迎えください。

夢で逢えたら _hkin→←・



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作者名:ponpoco | 作成日時:2021年3月22日 23時

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