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you wake me up _itajan ページ23

地雷系女子回のキャラデザが良過ぎたので今更ながら拝借。



_side yb



人が突然何かに目覚めるのはよくあることだ。
そう、よくあること…。


「薮ちゃん、そのカチューシャ漆でできてるの?」


くすくす笑いながら
俺のカチューシャに手をかける美少女。
ブルーグレーの髪を揺らして、
ころころと可愛らしく笑う。
グロスが丁寧に塗られた唇は甘いチェリーのようだ。


「え待って?!かわいくない?!」


眉を下げて、それでいて強気に詰め寄る子の髪は
雪のように白い。
これ地毛だって通行人の何人が気付くんだろう。


「ひかるがあげたんだよね〜」


その白い髪を撫でる細くて綺麗な指先。
長い髪を黒いリボンで高くツインテールにしてても、
それが似合ってしまうくらい
愛らしい顔立ちをしている。


「あ、今のおにーさん脚見てた。
 ちっ、彼女といるくせに…。
 もーそんな短いスカート履いてるからだよ」

「…控えめに言って殺す」

「え、僕?僕のことなんて誰も見てないよ」

「…」


竹下通りから1本入った、
ピンクでごちゃごちゃしたカフェのテラス席。
そこで美少女3人ともうひとりである自分が、
キャッキャウフフとおしゃべりに講じている。

そんな昼下がり。


通行人の何人が気付くんだろう。


その全員が男である、と。








遡ること1か月。
俺は朝イチ1コマ目から、
大講義室の後ろの方で
退屈な一般教養科目を受けていた。

水曜に俺がとっている1コマ目と2コマ目は、
偶然にも同じ大講義室で行われる。

その日もあくびを噛み殺しながら
合間の休憩時間を過ごしていると、
俺を見つけたひかるがいつものように隣に座った。

ここまではこの4月から幾度となく繰り返された光景。


事件はその後に起こる。


『ちょっとトイレ〜』と席を立つひかるを見送りながら
溜まったLINEを返していると、
さっき紙で切った指先から血が溢れてるのに気付いた。
気付いてみるといてーな、と
思いながら、ティッシュを探す。

が、あいにく俺はそんなもの持ち歩いてない。

視界に入るひかるのリュック。
アイツは常に色んなものを持ち歩いていて、
このリュックの中でポケットティッシュが
今か今かと出番を待っているのは明白だった。

そりゃ俺だってガキ大将じゃねーんだから、
傍にひかるがいたらひかるに断ってから拝借する。
けどひかるはトイレに行ってしまったし、
指先からは血が垂れてきた。

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作者名:ponpoco | 作成日時:2021年3月22日 23時

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