エイリアンズ3 _jump×jump (ページ17)

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口の中がもう
カラカラに渇いて、
コップの水を流し込む。

震える手では上手くいかなくて、少し溢してしまった。

慌てておしぼりに手を伸ばそうとすると、
ひかるがさっさと拭いてくれる。

「…俺が言ったって言うなよ」

「…」

「大ちゃんは、未だに初恋を追っかけてるよ」

ひかると大ちゃんは、前からたまに知らないとこで
何かを共有してる感じがすることがあって、
それがちょっとだけ嫌だった。

「………ひかるは優しいね」

「…これ以上付き合ってらんねーだけだよ」

「俺は馬鹿だね………」

もう拭き取る水なんて残ってないのに、
テーブルを拭き続ける大きな手。
所在なさげにゆるゆると動かしながら、
馬鹿だよ、でも、とひかるは笑う。

「だから今の大ちゃんがあるんだろ」

「…」

「人生、"好き"だけじゃないでしょ。
　生きてくために、絶対必要な時間だったんだよ」

右手が温かい。
包み込む、大きな手。
これもまた、夢を叶えた素敵な手だ。

「…ひかるはおバカなのかそーじゃないのか、
　時々分かんなくなるわ」

「おい！」

「だから薮はひかるが好きなんだろーな」

「おい！……って、え？は？
　そ、それ今かんけーねーだろ！？」

てか待って知ってたの？！と
真っ赤になって騒ぐひかるに大笑いする。

お冷を持って来た髙木が
光くんどーしたの、と笑って、ひかるが
何でもないから！あっちのテーブル呼んでるよ！と
まだ真っ赤な顔で追っ払ってる。

それがまた可笑しくて、もっと笑った。

テレビはもう、別のコーナーに移っていて、
大ちゃんは居なくなっていた。

だけど俺の中には、ずっと大ちゃんが居て、
それはもう、随分前から染み付いていて、
ここを出たら会いに行こうと、やっと思えた。

何度も新居に招待してくれてたのに、
何かと理由を付けて、俺だけずっと断っていた。

でもちょうど良かったのかもしれない。

顔を見たらいちばんに、
抱き締めたくなっちゃったから。

fin.

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視聴期限に間に合わせようとしたのに間に合いませんでした…！全部わたしが悪いんか？(そうです)