エイリアンズ3 _jump×jump (ページ15)

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深夜2時。
今日は大ちゃんに会えなかった。

明日休みだから仕事に精を出してたら、
思った以上に捗って、でも大ちゃんを取り逃した。

ぐるぐる。廻る洗濯物。

俺を待ってたりしたのかな。

ぐるぐる。

大ちゃんも忙しいか。

ぐるぐる。

静かだ。
大ちゃんが居ないだけでこんなにも静かだ。

あと3日。あと何回会えるかな。

この先、あと何回会えるのかな…。

そしてこの日から、貴重な2回分の夜、
俺は大ちゃんに会えずじまいだった。

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「あーホント、有岡くんはこの街の星だよ…」

髙木がジョッキを両手にテレビに釘付けになっている。
ビール溢れてるよ。

「ゆーやごめんね、俺たち冴えなくて」

ひかるがおどけてそう言った後、
たかきビール溢れてるよ、って聞こえてくる。

でも俺の目もテレビに釘付けだ。

「何言ってんの。
　光くんの絵本、姪っ子がずーっと読んでるよ」

「ホント！？嬉しいなあ～」

こないだこの席で、メニューには無いオムライスを
頬張っていた大ちゃんは、今やブラウン管の向こう側。
今どきブラウン管なんて言わないのか？

有名な司会者と対談なんて、
ちょっと前の大ちゃんが知ったら大騒ぎしそう。

でも今の大ちゃんからは、連絡のひとつも無い。

『じゃあその初恋が、
　有岡くんが演技に興味を持ったきっかけなのかもね』

『そうかもしれません。
　もう随分前のことだから、染み付いちゃってるけど』

初恋の話…。
俺たち何でも話していたはずなのに、
全然知らなかった。

ひかる知ってた？と訊こうとして横を向いたら、
泣きそうな顔で唇を噛んでて、
意表を突かれた俺は訊けずにそのまま視線を戻した。

　