エイリアンズ3 _jump×jump (ページ14)

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「いや～有岡くんはホントこの街の誇りだわ」

自分のことのように嬉しそうな髙木に照れながら、
もーやめてよ、と返す大ちゃんと
目の前の冷やしトマト。

どっちの方が好きかと訊かれれば俺は…。

「俺次のドラマも絶対観るからね！
　ちょうど店定休日なんだ～」

「絶対観てね？！もー撮影大変だったんだから…」

「大ちゃん主演だろ？凄いよな。
　あの原作の作家、好きだから余計楽しみ」

「ちゃん好きだったよね。今も好きなんだ？」

うん、と返しながら、
大ちゃんが覚えていてくれたことが
単純に嬉しくて口角が上がる。

夕暮れの教室、補習に付き合いながら、
当時ハマってた俺はずっと隣で読んでいた。

さっき大ちゃんが来るまで、
コインランドリーでひとり思い出してたんだ。

現実は、小説や映画のように、
その人を好きでいていいというサインがない。

そんなことを考えながら、
プリントと闘うきみの横顔を思い出していた。

「ちゃん前、映画観たって言ってたもんね」

「よく覚えてるね」

「覚えてるよ…」

横顔が少し淋しそう。
大ちゃんは負けず嫌いだもんね。

「現実は…。現実はあんな風にはサインが無いよね。
　必ずハッピーエンドが待ってるから、
　諦めずに好きでいて良い、なんてサイン……」

って何言ってんだろうね、って笑って見せたら、
真っ直ぐな目で見つめられた。

昔からその目が苦手だ。
ろくでもないことを見透かされそうで怖いから。

「…サインがあったら、
　いのちゃんは何か行動すんの？」

「いや、ごめんごめん、ふと思っただけだよ」

「…そっか」

へへ、と笑ってまた別の話題。
大ちゃんと居たら話が尽きない。楽しい。

きみには輝いていて欲しい。
でもどこにも行かないで欲しい。ここに居て欲しい。

ぐるぐる。抜け出せない。

本当に、ろくでもない俺。

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