やっぱり間違いだった ページ10
「ねぇ、食べ終わったら
誰か一緒に沖まで行かない？」
あやの提案に何人か誘いに乗り
「行く行く！」
私もはりきって声を上げ
そろそろかき氷を返してもらおうと
アイツの手元を見ると
持っているのはアイツのコーラ味のかき氷のみ
え？私のは？
少し視線をずらすと
アイツの足元に転がる空になった容器
「もしかして食べちゃったの！？」
「はい、美味しかったです(笑)」
平然とそう口にするアイツに
「シム、人の分まで食うなよ」
「シム君食べちゃったの？信じられない」
「ホントよく食うよな」
なんて楽しそうに盛り上がる皆
イヤイヤ、笑い事じゃないから！
てゆーか、食べるの早くない？
はぁ...もうっ！
「じゃあシムのかき氷代わりにちょうだい！」
「いいですよ、その代わり一口だけです」
わざとムクれた口調で言う私に
意地悪く笑って答えるアイツ
は？一口？
しかも何その意地悪な顔！
「どうして？もっと頂戴よ！」
私はアイツのかき氷に手を伸ばした
当然近くなるアイツとの距離
するとアイツが耳元でボソッと囁いた
「ダメです...
沢田と間接キスなんてした罰です」
耳に響く、アイツの低い声
やっぱり怒ってた...
てゆーか、声///
「可愛い...」
思わず赤くなってしまった私に
アイツは小さく呟くと
「はい、竹内さん一口です(笑)」
にっこり笑って
私の口元にかき氷を差し出した
その様子を見て
「何食べさせてもらってるの〜」
「ほんとだ〜」
「私にも食べさせてよ(笑)」
「A顔が赤いよ〜」
わざとおもしろおかしくひやかしてくる皆
そんな皆の様子を見て
やっぱりアイツを誘ったのは間違いだったと
再び強く思った
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作者名：ami
| 作成日時：2013年7月19日 13時
