脱げない理由 ページ6
ジリジリ照りつける太陽
キラキラ光る海
真っ青な空に浮かぶ大きな入道雲
「夏だ〜！海だ〜！！」
海に到着するなり
私は両手を広げて叫んだ
う〜ん、サイコー！！
「ホントに好きだよね、海(笑)」
「あや〜、誘ってくれてありがとう！」
「ふふ(笑)
急に決まったんだけど来れて良かったよ」
私達同期で参加できたのは
女性陣は、私とあやとまゆみとかな
まゆみは私と同じベルマンでとにかく明るい性格
ゲストサービスのかなは
同期の中で一番見た目も性格も女らしい子
男性陣は、市川とドアマンの村上
そしてなぜか山田(たぶんあやにくっついて来たと思われる)
人数が少なかったので
結局、村上の運転する車一台で来た
いい意味で仕切り屋の村上を中心に
みんなでパラソルを広げたり支度をして
いざ、海へ！
「よし行くかっ！」
村上の声に海へ駆け出そうとしたその時
「あれ？A
ラッシュガードと短パン着たままで行くの？」
まゆみがそう言った
ギクリ・・・
やっぱり気付いたか
私だってこんな暑い中
こんなもの着ていたくない
だけど...どうしても脱げない
なぜって
アイツのキスマークが見えちゃうから
胸元、背中
そしてちょうど短パンで隠れる太ももにまで
キスマークがつけられている
今朝、水着に着替えてる時この事に気付いた
「何コレっ！」
驚いている私と目が合ったアイツは
「それじゃあ水着だけで泳ぐのはムリですね...ごめんなさい、ちょっと夢中になりすぎて」
そう言って謝ってきたけど
その顔は満足そうだった
わざとだ・・・
そう思ったけど、アイツを忘れ
海水浴に行く事を勝手に決めた手前
文句が言えなかった
「暑いんだから脱げばいいのに」
「いっ..いいの、焼けたくないから」
「そう？まぁ、あんまり黒くなるとチーフに怒られるもんね」
「そうそう...！」
焼きすぎはホテルマンとしての身だしなみが
なってないって怒るチーフに
こんなところで助けられ
「そんな事より、早く行こ！」
「・・・・」
そんな事、ね...
相変わらずなあやの一言で
「「「「わ〜〜い！！」」」」
とっくに海に入っている村上達の元へ
皆で一斉に走り出した
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作者名：ami
| 作成日時：2013年7月19日 13時
