誰よりも幸せ ページ26
フロントサービス課のバックルームに続く
廊下を歩きながら
「はぁ...
僕は心臓が止まるかと思いましたよ...」
再び泣きそうな顔で
弱々しくそう口にするアイツ
「うん...ごめんね
ありがとうチャンミン」
「肩...痛いですか？」
「ううん、大丈夫...」
それより...
「ねぇチャンミン、皆にバレちゃったね」
「そうですね。
でも僕はバレてよかったと思ってます」
「どうして？」
「これで、遠慮なく皆の前で
Aさんの夫として振る舞えますから」
「ずっと我慢してたの？」
「そうですよ？言いたい事も言えずに
どれだけイライラさせられたかわかりません」
「そうだったんだ」
「はい...内緒の関係が楽しかったのなんて最初の内だけです」
「...プッ、楽しかったって(笑)」
「Aさんはどうなんですか？皆にバレて」
「私？私は・・・」
「私は...？」
眉毛を下げて不安そうに私を見つめるアイツ
私は...
勝手にバラして
何を言われるかわからないけど
「ふふ、すっごく嬉しい！
だってずっと言いたかった...チャンミンは私のダンナさんだよって(笑)」
それを聞いて
みるみる明るくなるアイツの顔
「Aさんっ、大好きです！」
ちゅっ...！
そう言うと、いきなり唇にキスしてきた
「ちょっとチャンミン！ここ会社だよ？」
「そんなの関係ありません」
イヤイヤ関係あるから...
誰もいないよね？
「だからもう一回...」
ちゅっ...
「ん？ちょっと熱いな...」
ちゅっ...
今度はおでこにキス
「やっぱり熱いですよ、Aさん！」
「え？そうかなぁ...
でも確かにちょっとダルいかも」
結局
その後ちゃんと熱を測ったら
なんと40度近くも熱があった私
さすがに体はフラフラで
頭もボーッとしてた
でも...
心は誰よりも幸せだった(笑)
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作者名：ami
| 作成日時：2013年7月19日 13時
