何なの？ ページ13
市川の呟きを聞いて
すっかり落ち込んでしまった私は
何となく皆と騒ぐ気にもなれず
離れた場所で
浮き輪の中にスッポリおしりを入れて
一人プカプカと海を漂っていた
こうやって浮かんでると
気持ちいいんだよね...
目を閉じ、しばらくそうやって浮いていたら
突然すごい勢いで浮き輪が傾いた
なっ、何！？
慌てて目を開けると
「プハッ...！」
浮き輪につかまったアイツが
海の中から顔を出した
チャンミン...
濡れた髪を片手でかき上げ
目が合った私に、にっこり笑う
正直なところ、私はアイツと話したくなかった
子供っぽい態度だとは思いつつも
フイッとアイツから視線を逸らしてしまった
そんな私を海の中から見つめていたアイツは
何も言わずにグイグイ浮き輪を引っ張って
泳ぎ出した
「ちょっと、チャンミンどこ行くの？」
「・・・・」
「ねぇってば！」
「・・・・」
私の問いかけをひたすら無視して泳ぐアイツ
しばらく泳ぐと、大きな岩場の向こうに
周りを崖で囲われた
誰もいない小さなビーチが見えてきた
足が着くところまでやって来ると
アイツに浮き輪から降りるよう促された
仕方なくそれに従って浮き輪から降りる
すると今度は
私の手首を掴み砂浜の方へズンズン歩き出した
「ちょっとチャンミン、なに？」
そこでようやくアイツが足を止めて
抱えていた浮き輪を
辿り着いた砂浜の上にポイ！と投げ捨てた
そのまま私と向かい合うようにして立つ
何なの？
ただでさえアイツの言葉と
三崎さんに対する態度に気持ちが沈んでいたのに
説明もなしにこんな所に突然連れてこられて
イライラしていた
「チャンミン何なの？こんな所に連れてきて」
一体どういうつもり？
「Aさん...」
「...なに？」
「今すぐ
ラッシュガードと短パンを脱いで下さい」
・・・はい？
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作者名：ami
| 作成日時：2013年7月19日 13時
