深愛49 ページ49
それから三週間程経った今日
散々お世話になった妹尾さんと
ランチを食べに行く
妹尾さんには辞める際
事のいきさつを全て話した
それがお世話になった妹尾さんへの
せめてもの礼儀だと思ったし
ずっと心配を掛けて心苦しかったから
相談しなかった事を叱られる？
褒めちぎっていた先生を見る目も変わる？
年の離れた私が恋人で
緊張した面持ちで返事を待つ私の前
「シム先生、見る目あるじゃん！」
開口一番そう言って笑った妹尾さんに
申し訳ない気持ちで一杯になった
同時に私も同じくらい
器の大きな女性になりたいとも
まだまだ程遠いのが現実だけれど
8月頭の陽射しは強烈で
前回待ち合わせした駅で電車を降りると
むわっとした空気に一気に汗が吹き出す
それをハンカチで拭いながら
約束の切符売り場へ向かうと
「...え」
そこには妹尾さんと談笑する
先生がいた
どうして先生が...
先生とはお互い用事が済んだ
夕方から会う約束になっていた
「あ、来た来たAちゃん！」
二人が私に気付き
妹尾さんが手を上げて私を呼んだ
「お待たせ」
「ううん、私も今来たところ
シム先生も、ね？(笑)」
「ん...急に用事が取り止めになって」
そうだったんだ
「だから急で悪いけど
俺がランチを奢ろうと思って
彼女にはAがお世話になったみたいだし...」
若干気まずそうな、先生の口ぶり
「だからそれはまたでいいって
言ってるじゃないですか！
久しぶりの、デートなんですよね？」
妹尾さんの言う通り
先生とよりを戻しておよそ一ヶ月
一緒に働き出して半月
その間ずっと先生は私の体調を気にしていて
ようやく最近、調子が戻り
復縁して初めて、デートに誘ってくれた
「まぁ、そうだけど...」
「ふふっ、シム先生ったら
夕方まで待てなかったんですね」
「わかります、わかります」と笑う妹尾さんに
先生は顔に手を当て苦笑いを浮かべている
「それにしても信じられない」
すると更に続ける妹尾さん
「合コンで散々女共に血の雨を降らせた先生が
まさかこんな風になるなんて」
その言葉に、今度はぎょっと目を剥く先生
もちろん私は、既に聞いた話しだったので
驚きはしなかったけれど
そうとは知らない先生は、ばつが悪いのか
再び顔に手を当て完全に背を向けてしまった
「Aちゃん、愛されてるね...(笑)」
その後で妹尾さんから
そっと耳打ち
胸がじんわり、温かくなった
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神鹿(プロフ) - 見つけられました！ありがとうございます！ (2021年9月2日 23時) (
レス) id: 874191ca7a (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - 神鹿さん» 神鹿さん、私の作品ページから飛べませんか？出来ないようであれば神鹿さんの設定R18作品を読めるように変える必要があります。 (2021年9月2日 8時) (レス) id: d1c1872a15 (このIDを非表示/違反報告)
神鹿(プロフ) - スミマセンが 別部屋へは どうやったら読みに行けますか？ (2021年9月1日 22時) (レス) id: 874191ca7a (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - はるさん» はるさん、嬉しいお言葉のオンパレード！感激です。長らく放置していて気がかりだったお話を完結できて、私もほっとしています。一緒に楽しんで下さり、こちらこそありがとうございました。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: d1c1872a15 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 最後まで、ドキドキしながら読ませて頂きました。ありがとうございました。amiさんの言葉使いが大好きでした。終わり方も、ほっとする？爽やかな？心が明るくなる様なエンディングで、何度も読み返したい作品です。本当にありがとうございました。 (2021年8月30日 10時) (レス) id: 533b71ddc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ami
| 作成日時：2017年9月18日 12時
