深愛42 ページ42
Aちゃんがそんな目に遭っている頃
クリニックでは久しぶりに
明るいニュースが話題に上った
「おめでとう、田村さん」
「うんうん、おめでとう！」
「ありがとうございます」
田村さんが妊娠、入籍したと
先生から報告があり
診療開始前の診療室で
三宅さんと二人、田村さんを取り囲んだ
ちなみに先生は院長室へ
「順番が逆で、恥ずかしいです...」
元々、秋には結婚する予定だった田村さん
そう言って顔を赤らめた
「そんな事ないよ、おめでたい事じゃん！」
おかげで私までハッピーになった
相変わらず院長室は荒れたままで
私もため息を溢す事が多かったから
「ありがとうございます」
お祝いに今度ご飯でも食べに行こうと約束して
皆業務に戻った
私は郵便物を片手に院長室へ
コンコン...
「どうぞ」
すぐに返事があり中へ入ると
...やっぱり
ソファの上には脱いだままの洋服が
まったくハイブランドの服に何て扱いを！
憤慨しながら腕に掛け
先生のいるデスクへ向かう
「先生、郵便です」
「ん、ありがとう」
まだ綺麗なままのデスクの上にそれらを置いた
再び背もたれに頭を預ける先生
目を閉じ、その顔には明らかに疲労の色が伺える
さっき、おめでたいニュースを聞いて
なぜ先生が私の紹介ではなく
田村さんを選んだのか
何となくわかってしまった
「不器用ですね、先生は...(笑)」
クローゼットに服を掛けながら呟く
後にいる先生には届いていないよう
「では、今日も一日
よろしくお願いします(笑)」
「...ん、こちらこそ」
最後にドアの前で一礼してから部屋を出た
.
それから半月程経った頃
診療の合間に、思わぬ事を先生が口にした
「最近Aと、連絡取ってる？」
作業台で後片付けをしていた私
聞けばどうやら、仕事を休みがちだと言うのだ
「まさかあの厄介者...あ」
言ってすぐに口を噤んだ
先生が厄介者の存在を把握しているか
わからなかったから
「厄介者...？
あぁ、伊勢谷先生の事」
「はい、知ってたんですか？」
「まぁね」
やはり先生も知っていたらしい
どうりでお疲れ気味な訳だ
先生に同情した
荒れた院長室は別だけど
「私から連絡してみましょうか？」
「いや、いい、俺がする」
どーぞどーぞ
「何かわかったら教えて下さい」
「...ん」
Aちゃんの事は心配だったけど
ここへ来て事態が動き出した事に
浮き立つ気持ちは、誤魔化せなかった
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神鹿(プロフ) - 見つけられました！ありがとうございます！ (2021年9月2日 23時) (
レス) id: 874191ca7a (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - 神鹿さん» 神鹿さん、私の作品ページから飛べませんか？出来ないようであれば神鹿さんの設定R18作品を読めるように変える必要があります。 (2021年9月2日 8時) (レス) id: d1c1872a15 (このIDを非表示/違反報告)
神鹿(プロフ) - スミマセンが 別部屋へは どうやったら読みに行けますか？ (2021年9月1日 22時) (レス) id: 874191ca7a (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - はるさん» はるさん、嬉しいお言葉のオンパレード！感激です。長らく放置していて気がかりだったお話を完結できて、私もほっとしています。一緒に楽しんで下さり、こちらこそありがとうございました。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: d1c1872a15 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 最後まで、ドキドキしながら読ませて頂きました。ありがとうございました。amiさんの言葉使いが大好きでした。終わり方も、ほっとする？爽やかな？心が明るくなる様なエンディングで、何度も読み返したい作品です。本当にありがとうございました。 (2021年8月30日 10時) (レス) id: 533b71ddc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ami
| 作成日時：2017年9月18日 12時
