深愛15 ページ15
「じゃあ行こうか」
「はい、お願いします...」
結局、午後の診療も
モヤモヤしたまま何とかこなして
そして今、複雑な気持ちのまま
先生の隣に座っている
「あ、あの...」
「んー？」
「先生に...聞きたい事があるんですけど」
「うん」
左右を確認し、駐車場から車を発進させた先生に
意を決して切り出した
「水無月さんと
別れた理由は何ですか...！」
今は私だけだと言ってくれた先生
こんな事言って
呆れられるかもしれないけど
聞かずにはいられない
「...ッ」
俯き、目を瞑ったまま返事を待つ
"じゃあさ
この前言ってたお花見弁当はその人？"
"はい"
お花見の相手はやっぱり先生だった
ずっと飲みたいと言っていたワインを
当日サプライズで持ってきてくれたらしい
先生の愛が感じられる
幸せなエピソード
だからこそ気になる
別れの理由が
先生は未練を残したまま
水無月さんと別れたのかどうか
「...ごめん、言えない」
「え...」
予想外の返事に思わず顔を上げた
言えないって...
真っ直ぐ前を向いたまま車を走らせる
先生の静かな横顔
「...ッ」
突き放されたかのような気持ちになった
大人で、経験豊富な先生なら
きっと私の気持ちなんて
手に取るようにわかるはず
だからこそ昨日は
あんな所へ行ったんだよね？
私を安心させるために
なのにどうして今日は
応えてくれないの？
「ごめん...」
俯き、涙を堪えていた私の右手を
先生がそっと掴んだ
そのまま手の甲を
親指で優しく撫でてくれる
「とにかく、もう終わった事だから」
その指先はとても優しいのに
不安を拭ってはくれない
「...A」
「あ、ありがとうございましたっ...」
家の前に到着し
初めて先生からのキスも待たずに車を降りた
バタンッ...
ドアを閉めると同時に
駆け出した足も止まらなくて
逃げるように家へ入った
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神鹿(プロフ) - 見つけられました！ありがとうございます！ (2021年9月2日 23時) (
レス) id: 874191ca7a (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - 神鹿さん» 神鹿さん、私の作品ページから飛べませんか？出来ないようであれば神鹿さんの設定R18作品を読めるように変える必要があります。 (2021年9月2日 8時) (レス) id: d1c1872a15 (このIDを非表示/違反報告)
神鹿(プロフ) - スミマセンが 別部屋へは どうやったら読みに行けますか？ (2021年9月1日 22時) (レス) id: 874191ca7a (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - はるさん» はるさん、嬉しいお言葉のオンパレード！感激です。長らく放置していて気がかりだったお話を完結できて、私もほっとしています。一緒に楽しんで下さり、こちらこそありがとうございました。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: d1c1872a15 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 最後まで、ドキドキしながら読ませて頂きました。ありがとうございました。amiさんの言葉使いが大好きでした。終わり方も、ほっとする？爽やかな？心が明るくなる様なエンディングで、何度も読み返したい作品です。本当にありがとうございました。 (2021年8月30日 10時) (レス) id: 533b71ddc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ami
| 作成日時：2017年9月18日 12時
