二度目の旅行13 ページ1
「どうですか？Aさん(笑)」
どうですかって
その眼鏡...
「懐かしいでしょお？(笑)」
目の前で
懐かしすぎる眼鏡を掛けて笑うアイツに
なんだか一瞬で胸がいっぱいになって
言葉が...出ない
出会った頃の、勉三なアイツ...
「やだ...ちょっとアレ見て？」
「なにアレ、ダセェ...(笑)」
「本気かなぁ...クスクス(笑)」
そんな私とは対照的に
周りの人達はアイツを見てザワザワと騒ぎ出した
「これを掛ければ
もう誰にも邪魔されずに楽しめますよ？(笑)」
楽しめますよって...
仮にも人気モデルなのに
自分が今、周りにどんな風に見られているか
チャンミンだって
聞こえてないわけじゃないでしょ...？
「でもちょっと
見づらいな、ブツブツ...」
そんなの...
レーシックの手術受けたんだから
当たり前じゃん...
「Aさん？」
そーゆーとこ...
「...え、泣いてるの？」
そーゆー
大事な事の為なら
周りにどう思われようが全くいとわない
どこまでもゴーイングマイウェイなところが...
出会った頃から
大好き...
大好きなの
スチャッ...
「やっぱり泣いてる...！
どうして？Aさん...」
アイツが眼鏡を外してオロオロと慌て出した
「ふっ...ふふ(笑)」
「え...」
遠くなんてなってなかった
アイツは、アイツのままだった
「その眼鏡、キツいんじゃない？掛けるの。
チャンミンもう目悪くないでしょ...？(笑)」
泣いているのは
嬉しいからだよ？
「そうですけど...Aさん？」
「ごめんね？
ちょっと懐かしくなっただけ...(笑)」
「そうですか、よかったぁ...(笑)」
アイツが手を伸ばし
流れる涙を親指で優しく拭ってくれた
「泣くほど嫌なのかと思った、この眼鏡が(笑)」
スチャ！
ほら、そうやって...
「...ん、やっぱり見づらい」
まるで度の合ってない眼鏡を掛けて
私との時間を
何より大切にしてくれるチャンミンが
大好きだからだよ...
だから
涙が出るんだよ...？(笑)
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作者名：ami
| 作成日時：2016年3月21日 17時
