僕なのにぃッ！！ ページ7
「ふふふ(笑)」
自分で言うのもなんだけど
やっぱり僕って天才かも
仕事も休むことなく
こうやって二人を監視する事ができるんだから
「フフン(笑)」
「どうしたの？チャンミン君。何だかご機嫌ね」
メイクのanさんに声を掛けられた
「そうですか？(笑)」
「うん、今日はメイクのノリもいつもよりよかったし、何かいい事でもあったの？(笑)」
そう言われると...
別にいい事でも何でもない
寧ろヤな事なんだけど
僕の知らない所で会われるより全然いい
「まぁ...あったと言えばありました(笑)」
「あ、なぁに？
その意味深な発言、気になるなー(笑)」
「ふふ(笑)」
「それにしても、やっぱりチャンミン君は人気があるのねー。痛いくらい乙女の視線を感じるわ(笑)」
数メートル先の二人の様子を
チラチラと盗み見しながら
撮影の準備が整うまで
anさんといつものように談笑している時だった
返事をしながら
チラッと移した視線が捉えた光景に
「そうです...かッッ！！！」
目玉が飛び出るかと思った
「ん？チャンミン君？どうしたの？」
「な、な、な...」
「な？」
驚きの余り、プルプルと体が震えて声が出ない
な、なっ、なにやってるッ、斉藤！！
何でAさんの口元に
サラダを差し出してる！？
しかもよりにもよって
Aさんの大好きなトマト！！
ここの野菜は有機栽培で
とにかく新鮮で美味しいって評判なんだ
あんな真っ赤な...
みるからに美味しそうなトマトを差し出されたら
差し出されたら...
例えその相手が僕じゃなくても
パクッ！「う〜ん！おいしい！(笑)」
・・・って、ほらぁっ！！
うりゅっ！(泣)
まるで恋人同士みたいに
なっちゃってるじゃないかぁっ！！
「あの...チャンミン君？大丈夫？」
・・・Aさんの彼氏は
「そろそろ撮影始まるみたいだけど...」
Aさんの彼氏は
「チャンミン君...？」
この僕なのにぃッッ！！(泣)
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作者名：ami
| 作成日時：2015年6月27日 10時
