すべて忘れて ページ42
「会いたかった！！」
ぎゅうっ...
やっとの思いで辿り着いたAさんの家の前
玄関の扉が開くなり抱き締めた
...でも、アレ？
なんか抱き心地が...
「あの...チャンミン君？
Aは今電話中で...」
ハッ...！！
この声、Aさんのお母さんだ！
バッ！！
僕は勢いよく体を離した
「ご、ごめんなさいっ！
Aさんだと思ってついっ...！///」
顔がバカみたいに熱い
「ふふふ、こんなに想われてAはホント幸せだわ。いつもありがとね(笑)」
「いえ...///」
流石に恥ずかしくて
モジモジと地面を見つめた
「それにしても長電話ね。
もう30分は話してるんじゃないかしら...」
え、長電話...？
一体誰と...
お母さんの言葉に
一瞬にして胸がモヤッと
黒い影に覆われそうになった時
「ごめんね、チャンミン」
愛しいAさんの声が聞こえてきた
「Aさん！！」
嬉しくて勢いよく顔を上げた
「お待たせ...」
可愛い...
久しぶりのAさんだ...
「帰りは遅くなるの？」
「ううん。明日は早番だからなるべく早く帰ってくる」
「そう、気を付けていってらっしゃい」
「うん」
緩いデニムのサロペットを着たAさん
「行こっか？」
ボブの頭を包む、黒のニット帽も
モノトーンボーダーのカットソーと合っていて
すごく似合う
「チャンミン？」
「・・・・」
「どーしたの？」
「もう！可愛すぎですっ！！」
「えっ！？」
「あらあら...(笑)」
久しぶりにAさんに会って
すっかり舞い上がっていた僕は
お母さんの存在も
長電話の相手の存在も
すべて忘れて
久々にこの腕に閉じ込めた
愛しいAさんの温もりを
「はぁ...Aさん(笑)」
ただ、全身で確かめていた
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作者名：ami
| 作成日時：2015年6月27日 10時
