一転、試練の時 ページ38
「犬...？」
観ると、パグの仔犬がお座りをしたまま
コックリコックリ船をこいでいた
「ヤバイ、ホントに可愛いー(笑)」
テレビに身を乗り出して見入るAさん
かなり気に入ったらしい
「やー、抱っこしたーい！」
足をバタつかせて悶えている
ムッ...
フ、フンッ！
どこが可愛いんだ、あんなブサイクな犬
顔が潰れてるじゃないか(当たり前だろ)
ムスッ...
「眠たいなら寝転がっちゃえばいいのにー(笑)」
そ、そうだそうだ！転がっちゃえばいいんだ！
てゆーか犬なら寝てろ、わざとらしい！
ムスムスッ...
こんな風にテレビの中の犬にまで嫉妬して
我ながらどうかしてると思うけど
ムカつくものはムカつく
自分でも止められない
「あ〜ぁ、終わっちゃった...」
ふぅ...やっと終わったか
まったく...
「何が世界の面白映像だ...
全然面白くないじゃないか...ブツブツ」
長い試練の時がようやく終わり
早速さっきの続きをしようと
Aさんに手を伸ばした
「ねぇ、Aさ・・・」
「あ、そうだ！ネットで調べたら出てくるかな、さっきの動画！」
・・・って、ムスムスムスーッ！！
「ねぇ、チャンミンパソコン借し・・・」
「ぜぇーっったい！イヤです！！」
「え？何怒って・・・」
「何って、Aさんがいけないんですよ！」
うりゅっ...！
「え？私...？」
「そうですっ！」
「...？」
半泣き状態で訴える僕を
キョトンとした顔で見つめるAさん
「...ッ！」
その顔が
あまりに可愛くてどうしようもなくて
「来てっ！」
「えっ...なに！いきなり！？」
戸惑うAさんの手を引いて
ベッドに雪崩れ込んだ
.
「それで無理矢理ヤッ・・・」
「無理矢理じゃない！」
「いや、お前それは無理矢理だろ」
「だから無理矢理じゃない！
隼人も大介も何言ってるの？僕達は付き合ってるんだよ？」
日付は代わって、次の週末
今度は、久しぶりに隼人と大介が
僕の家に泊まりに来ていた
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作者名：ami
| 作成日時：2015年6月27日 10時
