アイツの日記帳10 ページ31
レイと付き合い始めてから
僕は度々、ある"違和感"を感じていた
同じく付き合い始めたばかりのレイも
その事に気付いていたようで
「離れている間に大人になったね」
なんて言われたりもした
そしてその"違和感"は、同じクラスの平岡君が
Aさんに好意を寄せているという噂を
耳にしてから更に強くなった気がした
でも、どうしてそんな風に感じるのか
この時の僕にはわからなくて
そうこうしている内に
平岡君がAさんに告白すると言い出した
おまけに文化祭の準備をきっかけに
二人は急接近し始めるし
一方僕は、胸のキスマークを
運悪く見られた事が原因なのか
Aさんに避けられるようになってしまった
徐々に僕より親しくなっていく平岡君
僕は彼が気になって気になって仕方なかった
僕にはレイがいるのに
二人の様子が気になって仕方なくて
文化祭の買い出しに行った二人の後を
こっそり尾けたりもした
そしてついに耐えきれずに
Aさんを待ち伏せして問いただした事で
ようやく僕は
自分の気持ちに気付く事ができたんだ
.
文化祭を4日後に控えたその日
放課後、文化祭の支度を終え家へ帰ると
「おかえり(笑)」
レイがマンションの前で待っていた
どうしてレイがここに...？
僕は首を傾げた
「今夜は一緒にご飯食べる約束だったよね？」
そんな僕に、レイは以前リクエストした
ハンバーグの材料が入った袋を
嬉しそうに掲げてみせた
...そうだった
今夜はレイと約束してたんだ
大好きなレイとの約束を忘れるなんて
どうかしてる
僕は自分が信じられなかった
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作者名：ami
| 作成日時：2015年6月27日 10時
