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アイツの日記帳9 ページ30
「...ねぇAさん。
確かにレイの事、僕は何度も可愛いって思った」
「うん...」
「でも、さっきAさんに言ったように...
今まで生きてきてこんなに誰かを可愛いって思った事ない...思った事、ないよ？」
アイツがゆっくり体を離した
「さ、さっき言った事って...
こんなに可愛い生き物って、ヤツ？」
「そうですよ...？(笑)」
床に跪いたアイツが
零れる涙を指先でそっと拭った
「それに今だって、ヤキモチを焼いて泣くAさんが僕は可愛いくて堪らない。
ホントに、堪らないんですよ？...(笑)」
私を見つめるアイツの顔に浮かぶ
嬉しくて嬉しくて仕方ないって表情
眉毛を下げた、切ない微笑み
そこには確かに
私への愛が溢れていた
「...ッチャンミン！」
堪らずアイツの腕に飛び込んだ
ふわっ...
そんな私を
再びアイツが優しく包み込む
「Aさんが知りたいきっかけ
教えてあげるから、一緒に読も...？」
耳元でそっと囁かれた
.
「Aさん、こっち」
ヘッドボードに寄りかかったアイツが
脚の間で私を後ろ抱きにし
その膝の上で日記帳を開いた
私の肩越しに日記帳を覗くアイツ
「僕がAさんの事を好きだと思ったきっかけはこれです」
そこに書かれていたのは、平岡君の名前
「これって...」
「そうです。大介がAさんにアプローチし始めた時の事です」
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作者名：ami
| 作成日時：2015年6月27日 10時
