アイツなんて... ページ38
みなに相談した日から週末を挟んで
テスト週間が始まった
週末はアイツとは会わなかった
何をしているのかメールで聞いたら
-テスト勉強してます-
そう一言だけ返信があった
一緒に勉強しようって言ってたのに
結局それが実現する事はなかった
テスト期間中は
午前中で終わるのでお弁当はない
だからアイツとゆっくり話せるのは
放課後しかなかった
アイツに避けられているのは知っていたけど
声を掛けようと思っていた
みなにも言われたしね
その日は日直だったので
急いで当番日誌を職員室に届け
ダッシュで教室に戻った
するとちょうど廊下にいるアイツが見えて
「チャンミ・・・」
後ろから声を掛けながら近付くと
私からは見えなかったアイツの向こうに
他のクラスの女子がいた
私に気付いたその子の鋭い視線に
一瞬怯んだけど
勇気を出して口を開いた
「チャンミン、一緒に・・・」
そう言い掛けた時
その子の友達が隣の教室から出てきて
「ねぇ〜、シム君勉強教えてくれるって？」
え、勉強...？
暫し沈黙が流れ
最初にそれを破ったのは
「教えますよ」
アイツの声だった
「ホントに？やったぁ(笑)」
「ダメ元で言ってよかったね(笑)」
喜ぶ彼女達
そこでようやくアイツが私を見た
「Aさん、何か用でしたか？」
なに？その言い方...
表情なく私を見下ろす冷たい顔に
「...何でもない」
そう言うのがやっとだった
私は教室に入り
鞄を掴むと逃げるように教室から出ていった
走って辿り着いた下駄箱
そこで靴に手を掛け呟いた
「何なの、アイツ...」
一緒に勉強しようって言ってたのに
メールだってそっけないし
それに、何？あの顔...
もう知らない
アイツなんて
アイツなんて...
掴んでいたはずの靴が
ズルッと下駄箱を滑り床に転がった
「...大好きっ」
言葉にした瞬間、涙が溢れた
「...ふっ、うっ...」
私は泣きながら靴に履き替え帰った
通り過ぎる人が皆、私を見ていった
それでも
溢れる涙を止める事はできなかった
ただみっともなく泣きながら
私は家に帰った
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ami(プロフ) - のりのりさん» のりのりさん、嬉しすぎるお言葉をありがとうございます(*^^*)なかなか表現力がなくて、ありきたりな描写しかできませんが少しでも届くものがあるなら嬉しい限りです。続きも公開しましたのでお時間あるときに覗いてみて下さいね。ありがとうございます(*^^*) (2016年5月7日 10時) (
レス) id: 08257c9958 (このIDを非表示/違反報告)
のりのり(プロフ) - 何度読んでも 幸せな気持ちにキューンときたり、切なくて苦しくなったり… 入り込んじゃいます(^-^) (2016年5月4日 7時) (レス) id: 21fe8feb28 (このIDを非表示/違反報告)
an(プロフ) - かえるさん、アイツも自分の気持ちの持っていき場所がなく、こんな態度をとってしまいました。今なら...きっとキャッ(//∇//)な感じで嫉妬されちゃうんでしょうね。 (2014年5月22日 14時) (レス) id: 65b029e398 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - 読んで内容も知ってるのに胸が締め付けられます…(T△T) (2014年5月17日 19時) (レス) id: cb09582b35 (このIDを非表示/違反報告)
an(プロフ) - ありかさん、意地悪な作者なんですみません(笑)アイツのやきもちは今後もずっと続いていきます。もしかしたらパワーアップしてるかも！？ (2013年7月11日 16時) (レス) id: 65b029e398 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ami
| 作成日時：2013年5月30日 10時
