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キャンパスデート7 ページ21
「着きました」
乗り込んだ時同様
アイツに手を引かれて降りたエレベーター
ちょっと薄暗く
簡素な本棚が並んでいるだけの書庫は
古い本独特の香りが漂っていた
だけどそれは全然嫌な感じはしなくて
ほとんど読書をしない私でも寧ろ落ち着く感じ
「Aさん、こっち」
アイツが狭い本棚の間をすり抜け
書庫の奥へと歩いて行った
そんなに広くはない書庫
すぐに部屋の一番奥に着き
「ここです」
この大学で
アイツ一番のお気に入りの場所に辿り着いた
「ここ？」
「そうですよ(笑)」
アイツが教えてくれたのは
書庫の隅にある調べものスペース
壁と並行に置かれた
古びた一人分の机
横には座って覗ける位置に窓がついていた
ガラッ...
その窓を開けたアイツ
「ここに座って外の景色を眺めながら本を読んだり、Aさんにメールを送ったりする時間が一番好きなんです」
そう言うと、窓から入る気持ちのいい風に
少しだけ目を細めた
チャンミン
いい顔してる...
「特に今日、月曜日はお昼のあと一時限空いてるから、ずっとここにいるんですよ」
「そうなんだ...」
でも、それってやっぱり
友達がいないから？
一人ぼっちのアイツを想像して
キュッと少しだけ胸が切なくなった時
窓の外に広がる住宅街に
一ヶ所だけキラキラ光る場所があるのに
気が付いた
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作者名：ami
| 作成日時：2014年2月1日 23時
