言葉はいらない ページ37
ねぇチャンミン...
今夜は言葉はいらないね
だって「愛してる」だけじゃ
もう足りないから
「ここじゃあ狭いから...」
そう言ったアイツにシーツごと抱き抱えられ
ベッドの上に優しく沈められた
「A...」
私を見下ろすアイツに伸ばした手
「チャンミン...」
その手を、優しく掴んだアイツは
ちゅっ...
目を閉じ広げた掌に
そっとキスをした
愛しそうにキスをするアイツの表情に
きゅうっと胸が締め付けられる
そのままゆっくり目を開けたアイツの
私を見つめる鋭い目つき
普段はかわいいアイツに
「男」を感じさせるその眼差しは
私が欲しい...
そう確かに言っていた
アイツの想いに応えるように
そっとアイツの頬に触れる
今夜はそれがはじまりの合図
「A...」
「...ッ...ンッ！」
うわ言の様に繰り返し私の名前を呼びながら
私の全てに触れていくアイツ
その指先が
私をもっと知りたいって
言っていた
「チャンミン...」
私ももっと知りたい
あなたの事
「はぁっ...ッ...」
時折、アイツの口から切なく漏れる吐息
私をもっと感じたいって
言っていた
私も同じ
もっとチャンミンを感じたい
「チャンミン...」
アイツの背中に
ぎゅっとしがみついた
そんな私に熱い唇を重ねながら
「...ッ」
私の脚を持ち上げる腕が
私をもっと幸せにしたいって
言っていた
私も幸せにしたい
チャンミンの事
「A...」
揺れながら、微かに離した唇で
私を呼ぶ愛しい声
チャンミン...
私は幸せだよ
チャンミンは？
「...チャンミンッ」
アイツの腕の中で
必死にアイツを呼ぶ私の手に指を絡めて
「A...ッ！」
私と一緒に
小さく震えるアイツの身体
私を愛しい...
そう、言っていた
チャンミン...
私もあなたが
堪らなく愛しい
愛してるだけじゃもう足りない
それでもこれ以上の言葉を知らない私達は
それ以上の想いを伝えたくて
二人しか知らない時間の中
溶け合う身体で
何度も繰り返し
"愛してる"
そう伝え合った
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作者名：ami
| 作成日時：2013年9月10日 11時
