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小さく波打つ心臓 ページ35
休憩から戻った私は
何とかしてアイツに
「ごめんね」
そう一言謝りたかった
でも、今日は休憩のタイミングも合わなくて
そんな中
ようやくチャンスが巡ってきた
ちょうどエントラス付近で
ウェイティングをしようとした時
アイツがチェックインのお客様の荷物を
車からカートに積んでいるのが見えた
「いらっしゃいませ(笑)」
私は急いでエントラスの外へ出て
お客様に笑顔で挨拶しながら
アイツの元へ荷物を取りに行った
私と目が合ったアイツ
少し驚いた様な素振りを見せた後
一呼吸おいて
「ご予約の橋本様です」
そう言ってカートを渡してきた
「...かしこまりました」
それを受け取りながら
カートを握るアイツの手に
そっと自分の手を重ねて小さな声で謝った
「ごめんね...チャンミン」
するとそこへ、別のお客様の車が
こっちへ向かって走って来るのが見えた
ドアマンのアイツ
車を誘導する為
その場を離れる瞬間
「愛してる...」
私の耳元で一言囁いていった
チャンミン...
その後は
何度も何度も
アイツと目が合った
表情を変えずほんの一瞬
じっと私を見つめるアイツの瞳
その度に私の心臓が
トクンと小さく波打つのを感じた
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作者名：ami
| 作成日時：2013年9月10日 11時
