複雑な想いを抱えて ページ32
「今日アウト多いね」
「そうだね〜」
バックルームで
今日のスケジュールをメモしていると
「おはようございまーす...」
アイツが暗〜い顔をして出勤してきた
「おはよー」
「おう、おはよう！」
「シム君おはよー」
私は目の前に座ったアイツの視線を感じつつも
敢えて目を合わせないようにし仕事に入った
朝の柔らかな光に包まれたロビーは
行き交うお客様で騒がしく
今朝はチェックアウトのお客様が多かった為
余計な事を考えてる暇などなく
時間が過ぎていった
そんな中
「竹内、10番どうぞ」
やっと貰えた休憩時間
はぁ...疲れた
いそいそとバックルームに入ると
先輩社員の木下さんが休んでいた
「お疲れ様です」
冷蔵庫から取り出したお茶を手に
ソファに腰を下ろした私
「竹内、お前シムとケンカしたんだって？」
木下さんが
ニヤニヤ笑いながら話し掛けてきた
この職場に
私達夫婦の事はやっぱり筒抜けなのか
「はぁ...」
思わず深いため息が零れた
それを見た木下さん
ニヤニヤ笑うのをやめて口にした
「竹内、お前早く仲直りしろよ」
確かに
このままじゃ同じ職場だしよくないよね
「お前はため息で済んでるけど
シムなんか泣きそうになってたぞ」
え...？
「大きな瞳をうるうるさせちゃってよ。
ヤバかったよ...」
そんなにヤバイんだ...
「オレ男なのに...
思わず抱き締めたくなっちゃったぜ」
...は？
ヤバイって、そっちのヤバイ？
「可哀想だから早く仲直りしろよ」
そう言って木下さんはロビーへ戻っていった
「・・・・」
何だか恐ろしい言葉の数々を
聞いた気がするけど
・・・ハッ！！
ヤバイ、休憩終わりだ
私は再び複雑な想いを抱えて
まだまだ騒がしいロビーへと出ていった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 508人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ami
| 作成日時：2013年9月10日 11時
