【鬼滅の刃】悪女(？)は夢主’Sセコム

拾玖の戸惑い ページ20

「香蓮...？」

「す、みませんっ。

私の、私の双子の兄で、す。

もう、この世には、いませんがこんな屑の私に優しさを、笑顔を惜しみなく向けてくれました。

香蓮...

すみ、ませんっ...」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

どうしよう、涙が止まらない。

お館様の前なのに、どうしよう。

「良いんだよ、A」

そう言ってお館様は立ち上がりしっかりとした足取りで私のもとへ歩いて来てくださった。

そして

着物が濡れてしまうのにも関わらず私の涙をぬぐってくれた。

優しい藤色の瞳に安心して私は失礼なことにお館様に抱きついて子どものように大声でワンワン泣いてしまったのだ。

生きていてごめんなさい

生まれてきてごめんなさい

私なんかが生き残ってごめんなさい

大好きだよ香蓮。

優しくて

太陽みたいで

暖かい手が

全部全部、大好きだよ。

私を赦してなんて言わない。

そんな資格は、無いから。

香蓮を思って涙を流すなんて、それこそ香蓮を侮辱してしまうことだと思ったから。

でも

でも

今は

香蓮

貴方を思って涙を流すことを許してくれますか？

貴方のことが大好きだったのだと胸をはって言っても良いですか？









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