第76話 見つけたのは（ルッチside） ページ34
ルッチside
朝起きると窓が空いていた。ハットリがいない。どうやら窓から出ていってしまったようだ。
この島に来てから3日目。昨日はあの女の能力でまともに寝ることが出来た。最近熱が出たりで身体が重かったが、今日は軽い。
今日は諜報活動にも集中できそうだ。
俺はハットリのことを少し気にかけながらも朝早く宿から出た。
今日の夜はアクア・ラグナが来る。こんな日には大工たちも街に駆り出され、造船場も手薄になるだろう。何か得るものがあるやもと、造船場に向かった。
しかし何も得ることは無かった。もうすぐ俺が務めるであろうガレーラの社長になるというあの男の姿だけでも拝もうと近寄れば、ゴーグルの男に睨まれ威嚇された。
｢なんだぁ、てめぇ！アイスバーグさんになんか用かよ？｣
｢…。｣
困った。今はハットリがいない。話そうにも話せないでいると、アイスバーグが間に入る。
｢止めろパウリー。ンマー…悪ぃな、気にするな。お前、1番ドックに1度来た奴だな？いい腕だ。もう少し鍛えりゃァ、すぐ上に立つ者になる。｣
｢…。｣
俺は頭を下げアイスバーグと目を合わせると、そこを離れる。
パウリーと呼ばれる若い奴は｢なんか言えよ！｣とか騒いでいたが放っておいた。
｢…あの女といい、今日はいい人材とよく会う。｣
別れ際にアイスバーグがそう言った。カリファもアイスバーグと接触できたのかもしれない。
｢…Aの予言か…。｣
｢！アイスバーグさん、Aと会ったんですかい？｣
｢ンマー、お前もか？なんだか面白い奴だった。｣
パウリーとあいつが関わっていたことは知っていたが、アイスバーグの口からAの名が出たことには驚いた。アイスバーグにも接触しているとは…。あいつの悪運の強さには呆れる。
しかし俺は気にもとめない様子で歩き去る。
もうすぐアクア・ラグナがくる。造船島でカリファとブルーノに会った。避難所に向かうらしいが俺は断った。
理由は単純で、
未だにハットリが俺の元に戻ってきていないからだ。
仕方なく俺は裏町に向かう。そこはアクア・ラグナで半分海に浸かると言われている。能力者である俺は、すぐにハットリを見つけ離れたいところだが、先程からハットリを呼んでも、うんともすんとも言わない。
街の向こうに高波が見える。避難警報がうるさい。もう諦めかけたその時、俺がいる場所よりさらに海に近い向こうの通りに、Aがよたよたと走る姿があった。
｢…なぜ、お前がいる…。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 323人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アタル(プロフ) - サクラさん» サクラさん、ありがとうございます！コメントで感想を送ってくださると本当にやる気が出ます。自分で始めたので頑張るというのもなんか変な感じですが、頑張ります！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - カクもルッチもカッコいい…！毎回キュンキュンさせてもらってます！更新頑張ってください！ (2019年10月12日 16時) (レス) id: 2be65d96af (このIDを非表示/違反報告)
アタル(プロフ) - akane10746さん» 前回からコメントありがうございます！続けてみてくださっていてとても嬉しいです！頑張ります。 (2019年10月8日 13時) (レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
akane10746(プロフ) - 毎回面白いです!更新頑張ってください！！！ (2019年10月8日 9時) (レス) id: 38a8873821 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アタル | 作成日時：2019年10月7日 0時
